サブシナリオ「森の記憶」
シナリオ原案:satsukix データ制作:satsukix & marsh

推奨CL合計値:35〜45

※GM以外は「Bシナリオ進行」以降を見ないほうがシナリオを楽しむことができるでしょう。
  プレイヤーとして参加する場合はご注意下さい。

@導入 Aシナリオ概要 Bシナリオ進行  C探索パート
D記憶の間 Eエネミーデータ Fエピローグ G清算




@導入

森と知恵の町ナレッジ。

この町は一部の亜人や、変り者の研究者がひっそりと暮らす小さな集落だったが、
消失の日以来、多くのエクスプローラーやマーチャントたちが交易や冒険を求めて集うようになり、
ここ数年でシュセン、シーリンクに次ぐほどに発展してきた。

通りに目をやれば街道沿いに植えられた花壇に花妖精のフラウが、
のんきに歌を唄いながら植物の世話をしているのが見える。
樹をくりぬいて作られた住居や木の葉を屋根代わりにし、
簡素なハンモックがつるされただけの寝床や、
人間たちが住めるよう建築された木製のログハウスなどが
巨大な大木が林立する森の中を縫うようにぽつぽつと点在しており、
幻想的でかつどこか牧歌的で静かな賑わいを見せる街並みだ。

あなたはそんなナレッジの町の外れにあるエクスプローラーの間で評判のよい、
「プレコグの宿」で新たな冒険を求めて情報収集をしていた。

「あなた達"叡智の森"って知っているかしら?
 ナレッジ北部に広がるちょっと変わった森林地帯なんだけど、
 最近あのへんも随分と物騒になってて、いつの間にか魔獣の住処になっちゃったのよ。
 ちょうどその魔獣の討伐依頼が出ているから、
 腕に自信があるなら依頼主に会って話を聞いてみるのもいいかもしれないわね」


プレコグの話に興味をもったあなたはこの依頼に乗ることにしたのだが
「叡智の森」で待ち受けているのは想像もしなかった出来事だった・・・



Aシナリオ概要


ダンジョン探索型のシナリオで、最終イベントのボスはかなり強敵です。
しっかりとしたパーティー構成で挑む事をおすすめします。
途中で謎解き要素がありますが、正解できなくてもシナリオ進行は可能です。
(正解時にはボーナスを与えると良いでしょう)



Bシナリオ進行

<依頼主の家>

巨大な樫の木をくり抜いて作られた家には木製のドアが立てかけてあり、
君たちがドアをノックすると一人のシルヴァテイルの女性がでてきた。
質素ではあるが清潔な白いローブに小ぶりの眼鏡をかけ、
大人しい学者風の雰囲気を見にまとっている。

「探索者の皆様、お待ちしていました。
 今回依頼を出させていただきました、リシュタという者です」


どうやら彼女が今回の依頼主で間違いないらしい。
家の中に案内されて程なくしてリシュタは今回の依頼について話しはじめた。

フィルトウィズの知識や歴史を自ら刻み続けるという不思議な森「叡智の森」では
かつてのワンダラーたちの記録や、残した知識、
フィルトウィズ世界の歴史など貴重な情報が山のように眠っているという。
しかし、ある日からその森に魔獣が住み着くようになり調査もままならない状況との事だ。

リシュタはふと壁にかけてある肖像画を手に取り、寂しそうな表情を浮かべた。
肖像にはシルヴァテイルの男が描かれている。
彼女は静かに語り始める。

「・・・私の夫です。私は夫と共にワンダラーたちがいなくなった後も、
 この世界の全てを知るという叡智の森に調査へと向かいました。
 英雄たち無き世界でこれからどう生きていくべきなのか、叡智の森に知恵を求めたのです。
 ・・・ですがある日、森の調査中に突然現れた魔獣に襲われ、夫は私を逃がすために命を・・・」

「とても辛い出来事でした。・・・ですが、それでも私は
 ・・・いえ、私達はそれでもあの森に眠る知識を探求しつづけたいのです。
 少しでも過去の知識から、明日を生きるための糧を得て、人々に伝える事ができるのなら・・・
 それこそが私達夫婦に与えられたこの世界での役割。生きる意味だと私たちは信じています」

「探索者の皆様、どうかお願いです。
 叡智の森に潜む魔獣を探しだし、討伐してください。
 あの貴重な知識の眠る森を魔獣の手から解放してください・・・!」

「森に住むフラウたちの噂によると、魔獣は森の最奥をねぐらにしているようです。
 また、叡智の森は知識を求める者に対して"知恵と勇気"を試す事があります。
 森の最奥へと向かうならそれ相応の知恵や知識を求められるかもしれません。
 ・・・どうか気をつけて探索してください」

どうやら"森そのものが何か謎かけ"のようなものをしてくるらしい。
果たしてそれはどのようなものなのかは残念ながらリシュタ自身にも予測できないようだ。



<叡智の森>

ナレッジを北上し、森の奥へ奥へと進んだところにその森はある。
苔むした古い石碑があちこちに林立しており、
それらには誰が残したのか、あるいは誰かが今も刻み続けているのか、
フィルトウィズのありとあらゆる知識がその石碑に刻みこまれているという。

しかし、その石碑のいくつかには真新しい破壊の痕跡が見られる。
一部の石碑にはするどい爪痕が残されており、それらが恐らく住み着いた魔獣の仕業である事が予想できた。

森の入り口には比較的状態の良い石碑が立っており、
石碑全体が淡く白い光を放っているのが見える。

石碑にはこのような文章が刻み込まれていた。

---------------------------------
真実を知る者がパーティーにいる場合
---------------------------------

「知識欲するならばわが問いに答えよ」

「外から来たりし者よ、問おう。
 汝ら人はいつしか有るべき場所へと還らねばならない。
"還るべき場所とは何処"か」

「答えは森の中にある。
 自然の摂理に従い、知識を求めよ。
 知識には敬意をもって兜を脱ぎて頭(こうべ)を垂れるべし、
"その敬意は知識となり真実へと至る"だろう」

----------------------------------
真実を知る者がいない場合
----------------------------------

「知識欲するならば、我が問いに答えよ。
 自然の摂理守りし者らの数は四。
 汝、守護者らの名を全て答えよ。
 守護者は森の中で真実と共に汝らを待つ」


いずれの場合も、森を探索しなければ正解となりません。
プレイヤーに答えがわかっても石版は反応しません。



C探索パート

 

[探索方法]

初期スタート地点はマップ中央最下段です。
マップは通路とフロアで区切られており、
フロアの移動はパーティー単位で行います。
(パーティーが分散して移動する事はできません)

フロアでは必ず何らかのイベントが発生します。
イベントは成否に関わらず一度発生すると以後イベントは発生せず、
自由にフロアを行き来できるようになります。

また、探索中はパーティー全員のFTを1点使用する事で休息をとることができます。
休息する事でパーティーのHPとFPが完全に回復します。
FTが0のパーティーメンバーがいる場合誰かが余分にFTを1点消費する事で休息が可能となります。



[春の森]
(マップ中央北 M4〜O6付近)

淡いピンク色の花びらがヒラヒラと目の前を舞い続けている・・・
美しいがどことなく奇妙だ。
まるで君たちを何処かへ誘っているかのようにも見える。
[知力−6]判定を行い、成功すれば正しい道へと花びらが導いている事に気がつくが、
失敗すると誤った道へ迷い込んでしまいパーティー全員が〔FP〕を4点失う。
「非凡な直感」を持つPCがいた場合判定は不要。
(有効:「自然と生きる」【賢人の知恵】)

☆イベント終了後
君たちが歩き続けていると開けた場所にたどり着いた。
不思議なことにいつの間にか辺りの景色が一変しており、
温かな風と春を思わせる植物が足元一面に咲きほこっていた。
目の前にはアズマでよく見られるサクラと呼ばれる樹が満開の花を咲かせていた。
その樹の近くに何かの石碑が佇んでおり、何かが書かれているようだ。

***********************************************
セイリュウの石碑

「地に新たな命芽吹く季節。
 眠りについた命が目覚める時。
 暖かな風が地を駆け巡り氷に閉ざされた大地は甦る」
***********************************************




[夏の森]
(マップ北東 R2〜T6付近)


流れの速い大きな川。その近くには錆びついて動かなくなった箱型の魔導工学機械(ギア)が放置されている。
どうやら川の流れを制御するものらしいが、修理すれば再び使えるかもしれない。
パーティーの誰か1人でも[敏捷−4]か[知力−8]判定に成功すれば修理する事ができる。
修理に成功すれば川の流れを緩やかにすることができ、苦労なくわたる事ができるが、
失敗した場合は川を渡るために危険を冒すことになり、
パーティー全員が〔HP〕を20点失う。(水中行動可能なキャラクターは10点)
(有効:【魔道工学のススメ】)


「軟体生物」があれば複雑な機械の隙間に手や工具を入れることが可能となり、
[敏捷]判定に自動成功した扱いになる。

☆イベント終了後
急に周囲の気温が高くなったような気がする。
立っているだけでも汗がじわりと滲んでくる。
いつの間にかセミの鳴き声があちこちで喧しく響き渡っており、
まるでこのあたりだけ季節が夏になったかのようだ。
中央には小さな小川と泉が湛えられており、そこには何かの石碑が佇んでいる。

**********************************************
スザクの石碑
「煌めく陽光と共に命が踊る季節。
 生まれた命が大地を駆け巡る時」
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[秋の森]
(マップ南東 S9〜Q12付近)


通路を歩いていると、
ハサミを持った人形と木のカゴを手にした少女が
こちらに向かって歩いてくるのが見えてきた・・・

「うーん、秋は楽しいわねぇ。おいしいキノコに甘いリンゴ、
 それに・・・あら、大物発見!早速"収穫"しちゃいましょ〜♪」


どうやら彼女らは魔族のようだ。
君たちを見るやすぐに襲いかかってきた!

テラーツリー(CL16)、アップルドール(CL12)×2、カボチャの魔女(CL8)とエンカウント!
先へ進むために戦いは避けられない。通常戦闘、ボコスカ戦闘のどちらで処理をしても良い。

戦闘マップは以下のヘクスシートを使用します。
GMはマップ中央7か所の色違いヘクスの内好きな場所にエネミーを配置してください。
PCはマップ南東側の色違いヘクスが初期配置となります。



☆イベント終了後
木枯らしのような冷たい風が吹きだし、
周囲の気温が急に肌寒くなった。
足元には落ち葉が大量に降り積もっており、いくつかの樹には果実が実っているのが見える。
目の前にには他の樹木と比べて一際大きなクリと呼ばれる樹木があり、
その樹の傍には朽ちかけた何かの石碑が横たわっていた。

**********************************************
ビャッコの石碑

「豊かなる実りと、命の終焉が近づく季節。
 潰える命が次なる世代に託すため、
 その実りを分け与える。新たなる未来を信じて」
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[冬の森]
(マップ西 F8〜J9付近)


一面の銀世界。
降り積もった雪が辺りを支配しており、
凍てつく風が吹き荒れている。
付近には氷漬けになった石碑がいくつも並んでいるのが見える。
その石碑の内一つは淡く白い光を放っている・・・

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ゲンブの石碑
「宇宙に新しき星が力強く瞬く季節。
 凍てつく風と氷に全ての命が眠りにつく時。
 終焉は新たなる始まり。
 暖かな風が吹き、命が再び芽吹くその時を待つ」
**********************************************


☆隠し通路
PCのうち誰か1人でも[感覚−6]判定に成功すれば
北西の広場(H3付近)への通路を発見する。
(有効:「鷹の目」「自然と生きる」【野伏の歩み】)



[謎の泉]
(マップ南西端 D12付近)


比較的小ぢんまりとした開けた空間。
その中央には透き通った水がこんこんとわき出す泉があった。
炭酸でも混じっているのだろうか。
耳をすますとプツプツと泡のはじける心地よい音が微かに聞こえてくる・・・

不思議なことにこの音を聞き続けていた君たちはこの泉の水を飲んでみたい衝動にかられはじめた。


パーティー全員で[意志−2]判定を行ってください。
意志判定に失敗すると泉の水を強制的に飲みます。
「好奇心は猫を殺す」を持つPCは[意志−4]となります。

泉の水を飲んだPCは1Dを振って以下の結果を得る。

出目1

なんだか凄まじい力が湧きあがる!
好きな〔副能力〕1つにシナリオ中+2のボーナスを得る。

出目2
ほんのりと炭酸のまざった泉はすっきりとしたのどごしで疲れた体に心地よい。
不思議と体が軽くなった気がする。
〔HP〕〔FP〕が3D、フォーチュンが1点回復する。

出目3
何かに目覚めちゃう?
なんと!どういう事か性別が入れ替わってしまった!
PCの性別がシナリオの間逆転してしまう。
特に能力の変化はないようだがどうにも落ち着かない。

GM、もしくはPLが面白いと思ったRPをシナリオ完了までできたなら
そのPCにはアタッチメント割引券をボーナスで1枚獲得できる。

出目4

なんだか腹の底からもやもやとした感情が沸き上がってきた・・・
シナリオ終了まで以下の不利な特異点からランダムに1つを得て、
なおかつ〔抵抗〕に−2のペナルティを受ける。

1:嫌な奴
2:英雄色を好む
3:敵前逃亡
4:オオカミ少年
5:脳みそ筋肉
6:ドンキホーテ


出目5

不思議と体が頑丈になった気がする!
防護点がシナリオ中5点増加する。

出目6
凄まじい力が体の中から湧き上がる!!
・・・ような、気がした。
(何も効果を得られない)



[秘密の広場]
(マップ北西端 H3付近)


まるでここは小さな花園だ。
美しく咲いてる花々には小さな可愛らしい木製の柵が設置されて花壇になっており、
丁寧な手入れが行き届いている事がわかる。
その花壇中央で何かがモゾモゾと動いている・・・・
君たちが近づこうとすると、そのモゾモゾと動く何かと目があった。

「あっ!!」

それは小さな箱に何かを隠そうとしているフラウだった。
フラウは君たちに気がつくと慌ててどこかへと消えてしまった。
箱の中には小さなつぎはぎのアップリケが1つ入っている。

「あんた達も相当暇人ね!
 まぁここを見つけ出したことはとりあえず褒めてあげる。
 ご褒美はいつものこれよ。
 20個集めたら本物と交換してあげるのを忘れるんじゃないわよ」

と汚い字で書かれたメモも残されていた・・・
うぃっしゅすたー(大事なもの)を1つ入手。



[古びたがらくた置き場]
(マップ東端 Z8付近)


そこにはガラクタが山のように積まれていた。
何か役に立ちそうなものは残されていないだろうか。

ガラクタを調べてみるなら代表者1人が1度だけ3Dを振り、
出目に応じて以下のアイテムを入手する。
それ以外の出目はガラクタが崩れて「3D+10」の防護点無視ダメージを受ける。
【盗賊の心得】があればSLv分余分に3Dを振り、最も良い結果を適用可能。

出目4:岩悪魔のペンダント
出目5:アタッチメント割引券(1人につき1枚)
出目6〜8:「3D×200」GP相当の換金品(シナリオ清算時に報酬として加算)



[石像の広場]
(マップ南東端 X12付近)


草蔓がびっしりと絡みついた石柱と石畳が敷かれた構造の広間。
その広間には石の台座で仁王立ちしている巨大な石像があった。
石造の傍には崩れかけた石碑があり、そこにはこのようなメッセージが書かれていた。

この石像に決して触れるべからず。
知識を得るための好奇心は時に災いとなる。
探求者たるもの自制の心を持つことも肝要である。

石像に触れてみるか?
(「好奇心猫を殺す」を持つPCは[意志]判定をしなければならないが
 「虫の知らせ」を持つPCがいれば判定不要。後者の効果を優先する)

☆石像に触れた場合
突然石像が大きな音を立てて動き出し、君たちに襲い掛かってきた!
ミスリルゴーレム(CL27)と強制ボコスカ戦闘を行うこと。




<再び中央広場へ>

4か所の石碑を見て探索を追えると、
石碑が光を放っており、答えを言えば奥への道が開かれます。

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真実を知る者がパーティーにいる場合
---------------------------------

「知識欲するならばわが問いに答えよ」

「外から来たりし者よ、問おう。
 汝ら人はいつしか有るべき場所へと還らねばならない。
"還るべき場所とは何処"か」

「答えは森の中にある。
 自然の摂理に従い、知識を求めよ。
 知識には敬意をもって兜を脱ぎて頭(こうべ)を垂れるべし、
"その敬意は知識となり真実へと至る"だろう」

GMはひらがな4文字で正解を問うてください。
「真実を知る者」以外のプレイヤーも考えを述べて構いませんが、
問いかけに答えるのは「真実を知る者」です。

正解・・・ちきゅう(地球)
(碑文の頭文字を四季に従って並び替えるとあらわれます。
 5分ほど待って正解が出ないようであれば答えを教えて構いません)



☆正解した場合
答えを口にすると石碑はより一層強く輝き、文章がゆっくりと浮かび上がった。


我々は学ばなければならない。
我々は忘れてはならない。
我々の犯した過ちを。
我々がこれから成すべき事を。
我々の真の「役割」を・・・生きる意味を。

我々の故郷の土をいつか再び踏む時が来ることを・・・心より願う。


奇妙な文章が浮かび上がったあと、続けて石碑はより一層強く輝き、
更に以下の文章が浮かび上がった。

人よ、創られし人の子よ
汝らはこの世界で役割を持ち生きている
されど汝らの意志、すなわち心の動きは役割に非ず

知識を深め
心を高めよ

生きる意志を持つこと
それは"我々の"願いである

道は示された。
知識欲する者よ。
先へと進むがよい。

石碑からまっすぐに白い光が伸びていき、
石碑の真正面にある茂みが照らされる。
すると不思議な事に茂みがまるで生き物のように左右へ動きだし、新たな道が開かれた。

最終エリアへ「記憶の間」と移動することが可能になります。
必要であれば回復などを行っておくようGMからプレイヤーに伝えると良いでしょう。


----------------------------------
真実を知る者がいない場合
----------------------------------
「知識欲するならば、我が問いに答えよ。
 自然の摂理守りし者らの数は四。
 汝、守護者らの名を全て答えよ。
 守護者は森の中で真実と共に汝らを待つ」

「春の守護者の名は?
 夏の守護者の名は?
 秋の守護者の名は?
 冬の守護者の名は?」

正解・・・セイリュウ(春)、スザク(夏)、ビャッコ(秋)、ゲンブ(冬)
(「真実を知る者」がいる場合に比べて易しい問題ですが、
 5分ほど待って正解が出ないようであれば答えを教えて構いません)



☆正解した場合

石碑はより一層強く輝き、以下の文章がゆっくりと浮かび上がった。

人よ、創られしし人の子よ
汝らはこの世界で役割(ロール)を持ち生きている
されど汝らの意志、すなわち心の動きは役割に非ず

知識を深め
心を高めよ

生きる意志を持つこと
それは"我々の"願いである

道は示された。
知識欲する者よ。
先へと進むがよい。


すると石碑からまっすぐに白い光が伸びていき、
石碑の真正面にある茂みが照らされる。
すると不思議な事に茂みがまるで生き物のように左右へ動きだし、新たな道が開かれた。

最終エリア「記憶の間」へと移動することが可能になります。
必要であれば回復などを行っておくようGMからプレイヤーに伝えると良いでしょう。




D記憶の間

[記憶の間]
(最終エリア マップ上では見えない)


☆描写
隠された道を進んでいくと大きな広間にたどり着いた。
見上げても頂きが見えないほどの巨大な樹木が目の前に見え、
その樹木に抱かれるように砂時計を持った女神像があった。
足元には1から12までの数字が彫られた石畳が規則正しく並んでおり、
それらは日時計の役割を果たしているようだった。
周囲にはいくつもの知識が収められているのであろう、古びた石碑が無数に立ち並んでいる。

しかしそれらは女神像も含め無惨にも破壊されており、
大きな爪痕が残されていた。
何かを調べようにもこれでは調べようがない。

・・・どうやらここが魔獣の寝ぐらになっているようだ。
しかし魔獣の姿は見当たらない。君たちが周囲を調べていると、
ふと破壊され、地面に転がっている女神像の体の一部の砂時計が白く明滅しだした。
光は君たちがくるのを待っていたかのように、まばゆい光を放った。

不意に君たちは眩暈を覚え、周囲の景色がみるみると歪んでいく!


君たちが目まいから立ち直ると、周囲の景色は一変していた。
破壊された石碑や石畳の日時計、女神像…
それらが全て修復されていたのだ。

一体どういうことなのだろうと君たちが戸惑っていると・・・
「キャアァァァァッ・・・!」
突然近くで獣のような咆哮と、誰かの悲鳴が聞こえてきた。

君たちが悲鳴のした方に駆けつけると、
二人のシルヴァテイルが巨大な魔獣に襲われていた。
そのうちの一人は君達にも見覚えがあった。
依頼人のシルヴァテイル、リシュタだ!

???
「くっ、くそ!リシュタ、ここは私に任せて君は逃げるんだ!」


リシュタ
「だ、ダメよ!あなたを置いて逃げるなんて私にはできない!」


???
「このままじゃ二人ともやられてしまうぞ!
 大丈夫だ、私は魔族たちと戦うための修行をつんだ。簡単にはやられないさ。
 ・・・さぁ、君がいると上手く戦えない。すぐに村へと戻るんだ、いいね!」

リシュタ
「・・・!」


リシュタは何度もシルヴァテイルの男の方を振り向きながらも森の出口へと駆けていった・・・
それを見送った後、その道を塞ぐように男は魔獣の正面に立った。

???
「さあ、化け物め!かかってこい!私の愛する妻には一切手を出させんぞ!」

男の実力は不明だがこの戦いは傍からみてあまりにも無謀だ。
君たちはこの男を助けなければならない!



「き、君たちは!?あの魔獣はきっと私一人では手に負えない!
 このままではリシュタ…いやそれだけじゃない、叡智の森そのものが破壊しつくされてしまう!
 それだけは絶対に阻止せねばならんのだ!頼む、力を貸してくれ!」


「ありがたい!私の名はグリフ、これでも多少は戦えるつもりだ。さあ、共に戦おう!」

バトルパートに突入します。

ゲストNPCとしてグリフ(シルヴァテイルCL8)がパーティーに加入します。
グリフはPCが操作してもGMが操作しても構いません。
またグリフを戦闘に参加させたくない場合は、彼に下がっているよう指示することもできます。
その際グリフはバトルマップに配置する必要はありません。



名称:グリフ

CL:8  分類:獣人
体力:12  敏捷:15  感覚:14  知力:9  意志:10
HP:68  FP:24  命中:15
ドッジ:14  パリイ:不可  シールド:不可
移動:12  先制:14  抵抗:10
防護:打撃4/斬撃2/刺突0/火炎2/冷気2/電撃2
攻撃:パンチとキック(格闘)・・・命中17 3D+16(打斬) 射程1(近接)

常時【達人歩】:〔移動〕に+2のボーナスを得る(計算済)
   また、移動妨害をされた際に消費する〔移動〕が3ヘクス分→2ヘクス分になる
回避【幻燈舞】:FP3 〔回避〕+4で「ドッジ」を行う CT:次ターン
行動【龍尾脚2】:FP3 命中23 3D+32(打斬)射程1
   コンボ対象特技:【弧月脚】 〔命中〕に+4ボーナス
行動【弧月脚2】:FP4 命中17 3D+20(打斬) 2回攻撃 射程1
   【龍尾脚】コンボ中は命中が21になる



バトルパートに移行します。
エネミーは『日時計の獣』サンビア(CL30ネームド)1体のみですが強敵です。
PCのCL合計値に応じて以下のようにバランスを調整すると良いでしょう。

CL合計値34以下

CL−10 〔HP〕−200(部位はそのまま) あらゆる致傷力−20

CL合計値35〜45
CL−5 〔HP〕−100(部位はそのまま) あらゆる致傷力−10

CL合計値46以上
データ通り


ボスエネミーはボスバトルマップのマップ中央7か所の
色違いヘクスの内好きな場所にGMが配置してください。
PCの初期配置はマップ南側の色違いヘクス内です。



無事にボスエネミーを撃破した場合、「Fエピローグ」に進んでください。 




Eエネミーデータ

名称:カボチャの魔女

CL:8  分類:魔族
体力:8  敏捷:13  感覚:14  知力:13  意志:9
HP:50  FP:20  命中:15
ドッジ:14  パリイ:不可  シールド:不可
移動:8  先制:14  抵抗:9
防護:打撃6/斬撃4/刺突2/火炎4/冷気4/電撃4
攻撃:カボチャ投げ(格闘)・・・3D+15(打) 射程10(射撃)

常時【完全飛行移動】:「移動妨害」を受けずBS「転倒」から行動を消費せず復帰
   飛行していないキャラクターから射程10未満の攻撃を受けない
行動【タングルフット2】:FP3 〔移動〕〔回避〕−4 ターン開始時[体力−4]成功で無効 射程10(魔法)
行動【スリープ2】:FP4 対象に「☆眠り」 〔抵抗−4〕成功で無効 射程10(魔法)
行動【ぱんぷきんすとーむ!】:FP6 命中15 3D+15(打) 射程10(魔法) 「パリイ」不可
   指定から3ヘクスの敵味方全員 ダメージ時[意志]判定に失敗すると気絶 CT:戦闘終了

解説:魔将グレイヴディガー配下のイタズラ好きな魔法使い。
カボチャのマスクで顔を隠して上空を飛び回る。
【ぱんぷきんすとーむ!】の効果は強力だが、味方も巻き込んでしまう。
しかも、仲間がいても躊躇なく撃ちこむため他の魔族からは敬遠されている。

レア:カボチャのマスク(装飾品)



名称:アップルドール  

CL:12  分類:魔族
体力:15  敏捷:13  感覚:10  知力:10  意志:12
HP:86  FP:31  命中:15
ドッジ:10  パリイ:12  シールド:不可
移動:8  先制:10  抵抗:12
防護:打撃6/斬撃8/刺突10/火炎6/冷気6/電撃6
攻撃:アップルピッカー(斧)・・・3D+28(打斬) 射程2(近接) 「パリイ」不可

・特技
行動【バイセクション3】:FP5 命中15 3D+58(打斬) 射程2(近接) 「パリイ」「シールド」不可
行動【トマホークミサイル3】:FP4 命中24 3D+52(打斬) 射程10(射撃) 武器は使用後手元に戻る

解説:主に植物のある場所や「天体観測所」の庭園に住み着く人形のような魔族。
アンティークドールを思わせる可憐な外見をしているが
その手には巨大で無骨な鋏が握られており、非常に危険。
高い命中を誇る【トマホークミサイル】と強力な【バイセクション】を使い分ける。

レア:アップルピッカー(斧)




名称:テラーツリー

CL:16 分類:魔族
体力:13  敏捷:10  感覚:12  知力:18  意志:14
HP:122  FP:43  命中:16
ドッジ:12  パリイ:不可  シールド:不可
移動:5  先制:16  抵抗:14
防護:打撃10/斬撃10/刺突15/火炎30/冷気5/電撃10
攻撃:カボチャ投げ(格闘)・・・3D+25(打) 射程10(射撃)

・特技
常時【ダミーのカボチャ】:パンプキンツリーを対象とした攻撃を2分の1の確率(1Dの出目1〜3)で無効化
   範囲攻撃は無効化できずクリティカル時は必ず本体に命中
支援【ダブルキャスト】:FP8 続く行動ターンで【魔法】を2回使用する CT:戦闘終了
行動【スリープ3】:FP4 対象に「☆眠り」 〔抵抗−6〕成功で無効 射程10(魔法)
行動【ヘイスト3】:FP4 対象の〔移動〕+6 対象が未行動の際は即座にターン開始 射程10(魔法)
行動【エレメンタルバレット3】:FP6 命中16 3D+18(火) 射程10(魔法) 4回攻撃 「パリイ」不可

解説:カボチャの実がなっている高さ5mほどの木の姿をした魔族。
カボチャの大魔女やテラードールが見張りなどに使用している。
木にぶらさがったカボチャのうち1つのみが本体で、
それ以外は攻撃しても徒労に終わってしまうため、攻撃には工夫が必要だ。
【ダブルキャスト】使用時は必ず別々の魔法を使用する。

レア:どでかぼちゃシールド(盾)



名称:ミスリルゴーレム

CL:27  分類:ギア
体力:18  敏捷:13  感覚:8  知力:9  意志:14
HP:186  FP:67  命中:19
ドッジ:8  パリイ:不可  シールド:14
移動:8  先制:8  抵抗:16
防護:打撃12/斬撃15/刺突18/火炎15/冷気15/電撃15
攻撃:ミスリルアーム(格闘)・・・3D+35(打) 射程1(近接)
攻撃:アームガン(銃)・・・3D+40(打刺) 射程20(射撃) 通常攻撃のみ

・特技
常時【精神防御】:幻覚を見せたり精神に異常を与える【特技】の効果を受けない
常時【オートクールダウン】:【白熱溶断MPR】【パイルバンカー】を「CT:1ターン」に変更する
支援【マルチロックオン2】:FP8 続く行動ターンで射撃攻撃の〔命中〕+2
   単体への射撃攻撃を3体に使用する CT:戦闘終了
行動【白熱溶断MPR3】:FP8 命中19 3D+110(打火) 射程1(近接)
   防護点を10点減少させる CT:1ターン
行動【パイルバンカー4】:FP6 命中25 3D+92(打刺) 射程10(射撃) CT:1ターン

解説:ギアフォレスの拠点を守る、ミスリル製の大型警備兵。
通常のゴーレムに比べて青光りする装甲により判別は容易い。
【マルチロックオン】によって【パイルバンカー】を複数同時に放ち、その破壊力は壮絶。
ミスリル装甲により弱点の電撃を克服して、盾も装着したため防御も万全の難敵だ。

レア:ヒュージミスリルフィスト(装飾品)



名称:『日時計の獣』サンビア(BOSS)

解説:叡智の森の奥地「記憶の間」に棲息する魔獣。
本来は不用意に「記憶の間」に近寄る者が現れないように見張る
守護者としての役目を持っていたがいつしか凶暴化してしまった。

鱗は光を反射して七色に煌めいており、
太陽光を収束・反射させて戦闘に用いることができる。

CL:30  分類:ネームド/魔獣
体力:20  敏捷:12  感覚:10  知力:10  意志:13
HP:600  FP:280  命中:20
ドッジ:10  パリイ:15  シールド:不可
移動:7  先制:10  抵抗:15
防護:打撃10/斬撃15/刺突20/火炎20/冷気10/電撃10
攻撃:輝く角(格闘)・・・3D+40(刺) 射程2(近接)

・特技
常時【ネームドエネミー】:HP0以外で気絶せずBSをターン開始時に打ち消す 打ち消し時CL分HP消費
常時【大型モンスター】:ヘクスを強制移動させる効果や移動制限を受けない
秘ダ【魔力屈折】:【魔法】で受ける最終的なダメージ−20 CT:次ターン
支援【太陽光乱反射】:次のザンビアのターンまで射程内の対象全員の〔命中〕〔回避〕に−10のペナルティを与える
   射程100 CT:1ターン HP300以下で使用
行動【エレメンタルヒット3】:FP4 命中20 3D+70(刺火) 射程2(近接)
行動【サンライトスピアー】:FP10 命中25 3D+50(刺火冷) 射程10(魔法)
   ダメージ時次ターンまで〔命中〕〔回避〕−6 「パリイ」不可 CT:1ターン
行動【エレメンタルバスター2】:FP10 3D+40(火) 射程10 指定から5ヘクス
   「ドッジ−4」成功でダメージ−10 CT:1ターン HP300以下で使用

☆行動パターン
1:攻撃魔法を受けると必ず【魔力屈折】を使用する。
2:行動ターンは【サンライトスピアー】を優先して使用する。
  CT中は【エレメンタルヒット】を使用する。
3:HPが300以下になると支援ターンで【太陽光乱反射】、
  行動ターンで【エレメンタルバスター】を可能な限り使用する。


部位:サンビアの尾
HP:150
防護:打撃15/斬撃15/刺突5/火炎15/冷気15/電撃40
攻撃:太陽光線(銃)・・・命中20 3D+50(刺火) 射程10(射撃)
破壊:「パリイ」不可 【魔力屈折】使用不可 【太陽光乱反射】で受けるペナルティが−10から−5になる
解説:円形の鏡のような先端を持つサンビアの尾。ターゲット強制効果を受けない。

通常:6000GP
レア1:ミラーシールド(盾)
レア2:日時計の鏡(装飾品)



E’本シナリオ専用エネミードロップ
(本シナリオ終了後自由に購入可能)

名称:ミラーシールド(盾)
体力:13  シールド:4  価格:30000GP
解説:『日時計の獣』サンビアの鱗を張り付けたラージシールド。
魔法攻撃を屈折させて弱める能力を持つ。
【魔法】で受ける最終的なダメージを10点軽減する。

名称:日時計の鑑(装飾品)
価格:60000GP
解説:『日時計の獣』サンビアの尾の鑑をあしらった魔法の日時計。
装備中は「天体時計」と同様の効果を得て、
【魔法】で受ける最終的なダメージを20点軽減する。



Fエピローグ


戦闘終了時にグリフが生存しているかどうかでシナリオが変化します。


1)グリフが死亡した

君たちは辛くも魔獣を討伐する事に成功したが、
シルヴァテイルのグリフは力尽き、既に事切れてしまっていた・・・

「あなたーッ!!」
逃げたはずのリシュタが駆け寄り、グリフの亡骸の前で泣き崩れる。

「ああ・・・あなた・・・!何でこんなことに・・・
 こんなの・・・こんなの酷過ぎる・・・ああぁぁ・・・」

すすり泣くリシュタを見つめる君達は不意に再び目まいをおぼえる。
周囲の景色がまた歪みだした。
目まいのする中リシュタのすすり泣く声が耳に焼きついて離れなかった・・・

気がつくと君たちは再び女神像のある広間に立ち尽くしていた。
女神像や石碑は破壊されてはいないが、足元には古ぼけた箱が一つ置かれている。
箱にはこのような文章が刻まれていた。

「知識と歴史を守りし者へ」

宝箱をあけると1人あたり1000GPとアタッチメント割引券2枚を入手できます。
(石碑の問いかけに正解できなかった場合割引券は1枚です)

「エンディングパート:BAD」へと移行します。
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2)グリフが生存している


君たちが魔獣を無事打ち倒すと、後ろから声が聞こえてくる。

「あなたーッ!!」
リシュタがグリフに駆け寄り、そして飛びつくように抱きしめた。

「リシュタ!逃げろとあれほど言ったのに・・・」
「バカ!バカ!バカ!あなたを置いて逃げるなんてできるわけないじゃないですか!
 死んじゃったらどうするつもりだったの・・・!私を独り残すなんて許さないんですからね!

「・・・すまなかったな。そうだ、この方々にもお礼を言ってくれ。私の命の恩人だ・・・」

そういってグリフとリシュタが君たちの方を振り向こうとした時、
君たちは再び目まいを感じ、景色がまた歪みだした。
目まいがする中、微かに二人の声が聞こえてくる…

「・・・彼らはどこに行ったんだ?」
「え・・・今、確かにそこに誰かいたような・・・?」

気がつくと君たちは再び女神像のある広間に立ち尽くしていた。
女神像や石碑は破壊されてはいないが、足元にはキラキラと輝く箱が一つ置かれている。
箱にはこのような文章が刻まれていた。

「知識と歴史を、儚き命を守りし英雄へ」

宝箱をあけると1人あたり2000GPとアタッチメント割引券2枚を入手できます。
(石碑の問いかけに正解できなかった場合割引券は1枚です)

「エンディングパート:GOOD」へと移行します



・エンディングパート:BAD

君たちがナレッジへと戻るとローブを身にまとったリシュタの姿が見えた。
しかし奇妙な事に君たちの事を覚えている様子がない。

「あら、探索者様。何か御用でしょうか?」

「依頼?魔獣?・・・おかしいですね、そのような依頼をした覚えはないのですが・・・
 それに、叡智の森にすんでいた魔獣は昔・・・私の夫が退治をしてくれたのです。その命と引き換えに・・・
 特に用が無いなら私は行きますね。どうか探索者様もお気をつけて旅を続けてください。・・・それでは」


叡智の森へと向かうリシュタの背中は寂しさをまとっていた。
あれが過去の世界での出来事だったとしたのなら。
あの時グリフを助けることができたのなら・・・

もしかしたら未来は変わっていたのかもしれない。

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・エンディングパート:GOOD

君たちがナレッジへと戻るとローブを身にまとったリシュタの姿が見えた。
そこには逞しい姿をしたシルヴァテイルの男もいた。
しかし奇妙な事に君たちの事を覚えている様子がない。

「あら、探索者様。何か御用でしょうか?依頼?魔獣?
 ・・・おかしいですね、そのような依頼をした覚えはないのですが・・・」


「フラウの蜂蜜酒にでも酔っているのか?
 その魔獣は2年前とっくに退治されちゃっているよ。あそこを見てみなさい」


そういってグリフが指さした方には小さな広場と石像が立ち並んでいた。
その石像は顔こそ彫られてはいないが、どこか君達に似ている。

「魔獣を退治した、名もなき英雄たちだよ。
 闘いの最中で名前を聞くこともできなかったのだが・・・
 彼らは私の命だけでなく、森を救ってくれたんだ。
 ・・・さて、私たちは叡智の森で研究がある。忙しいのでこれで失礼するよ。」

「探索者の皆さんも、道中気をつけてくださいね」

そういってリシュタはニッコリと笑って一礼した。
その雰囲気は最初に会ったときとは逆で幸せな女性そのものの雰囲気を身にまとっていた。

「しかし、さっきの彼らとは初めて会ったはずなのに・・・
 不思議なことに、前にも会ったような気がするんだ・・・」

「まあ、あなたったらおかしなことを言うんですね。
 あなたこそフラウの蜂蜜酒でも飲んだのではないですか?

「ば、バカを言うんじゃぁない・・・!」

遠ざかっていく彼女らからこのような会話がふと耳にはいった。
君たちはそんな会話を聞いてきっと軽い笑みを浮かべた事だろう。


サブシナリオ「森の記憶」 −完−



F’追加エピローグ

※グッドエンド時のみの追加要素です。
この描写を行うかどうかはGMにお任せします。

*

「ふーむ、それにしても珍しいこともおありですな。
 第四魔将殿があのような些事にロールバック権限をお使いになるとは。
 確かにこの場所はロールバック行使のための端末が存在するとはいえ、
 『その姿』で行うのは軽微ながら盟約に反すると記憶しておりますが」


「記憶の間」からエクスプローラー達が去った後、2つの人影が現れる。
片方は頭上に歯車を模った王冠を乗せた単眼の賢者。
もう片方は燃えるように赤い髪の中性的な青年(?)だ。

「まあちょっとな・・・色々と予想外だったんだよ。
 サンビアがあんな見境なく人間を襲うようになるのも、
 エクスプローラーの連中が命を懸けてサンビアと戦ったのもな」


「・・・確かに。やはりエクスプローラーはワンダラーとは異なるようです。
 力は比較にならないほど劣っていますが、
 その弱さを知恵と勇気で補う心の強さを持っています。
 ・・・私もついついつられてコレを使ってしまいましたよ」


単眼の賢者は自らの管理カードを取り出す。

「アカシックレコードからのキャラクター再構成か・・・
 やっちまったなバロ爺。ユグ助やあの女にバレたらまた大目玉だぜ?」

「ほっほっほ、一応バレないようにはしたつもりですよ。
 ・・・とはいえさすがに、これ以上目立ちたくはありません。
 我々の目的の続きは第七魔将殿にお任せするとしましょう」


そう言うや否や、単眼の賢者はふわりと懐から布を取り出しはためかせる。
程なくして単眼の賢者の姿はその場から消えてしまった。


「・・・オメー達のこと、覚えとくぜ。人間も捨てたもんじゃねえようだしな」

赤髪の青年もそう言うと、光の粒を残して消えてしまう。
「記憶の間」には元々何もいなかったかのように、木々のざわめく音だけが聞こえていた。



G清算

報酬はドロップ品や道中で手に入れたアイテム、ボス撃破時の財宝となります。
シナリオの性質上、依頼人からの報酬はありません。
CLも1上昇します。

これでシナリオを完了します。
お疲れ様でした。

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