サブシナリオ「星に願いを」
シナリオ原案:densu データ制作:marsh

推奨CL合計値:20〜30 アニー:可

※GM以外は「Bシナリオ進行」以降を見ないほうがシナリオを楽しむことができるでしょう。
  プレイヤーとして参加する場合はご注意下さい。


@導入 Aシナリオ概要 Bシナリオ進行
C施設探索 ・第1の部屋 ・第2の部屋 ・第3の部屋 ・第4の部屋 ・第5の部屋 ・屋上
Dクライマックス Eエネミーデータ  Fエピローグ G清算



@導入

「よーし、ここを我々の秘密基地とするっ!大人たちには内緒だからな!」

港町シーリンクの町外れの、さらに外れ。
そこには建築途中で打ち捨てられた、大がかりな施設があった。
その施設が何のために作られたのかは誰にもわからず、
入口は厳重なシャッターによって閉ざされていたため、
単に子供たちの秘密の遊び場として使われていた。

「今日はすごい発見をしたぜ!我々が決死の冒険を挑んでこの施設の壁を登った結果!
 この秘密基地は、空を飛ぶ船を飛ばすための施設だった可能性が高いと推測される!」

リーダー格の少年は高らかに宣言し、他の少年も興奮してそれを聞いていた。
ドーム状の建物の屋上部分が、「星間ステーション」の発着場に酷似していたためだ。
残念ながら透明なドーム状の天井で覆われており、侵入することはできなかったが。
中でも人一倍好奇心が強かった少年「テイラー」は、
この乗り物に乗ってみたいという思いを募らせていった。


テイラーが一人で秘密基地の調査をした帰り道だった。
少年の目の前に流れ星が落ちてきた。
比喩ではなく、本当に目の前に落ちてきたのだ。

「おめでとうございます!あなたは幸運にもこの『wish star』に選ばれたプレイヤーです!
 さあ、あなたの願い事をなんでもひとつだけ叶えましょう!
 規約に違反する内容でなければ、どんな願いでも可能です!」


少年はきょろきょろと周囲を見渡したが誰もいない。
落ちてきた星は七色に瞬き、自分が喋っているのだと主張していた。

「この星が喋ってるのか・・・プレイヤーってなんだろ?
 でも、願い事を言えばいいのかな?それなら・・・ぼくの願いは・・・」


少年が願いを口にすると、星から光が溢れだし少年を包みこむ。
そして、光が消えた時少年の姿もまた消え去っていた。



「行方不明者の捜索?・・・なーんかつまんなさそうな仕事ねえ。
 大体、行方不明者なんて十中八九もう死んでると思うけど」


エクスプローラーギルドで依頼を受けたあなたに、
アニーは縁起でもないことをさらっと言う。
たとえそう思っても口に出さないほうがいいと思うのだが。

「ま、退屈そうだけどあなたにはこの程度がお似合いかしら。
 ・・・どうせ、他の仕事はあなたじゃムリそうだし」


掲示板には「煉獄龍バーガトリ討伐!報酬50000GP!」などの
景気のいい仕事が並んでいるが、向かったところで景気よく黒コゲにされるだけだろう。
それに、行方不明になったのは年端もいかぬ少年らしく、放っておくわけにもいかない。
あなたはこの仕事を受けてみることにしたのだが・・・



Aシナリオ概要

ダンジョン探索+クライマックスバトルの構成です。
フィルトウィズEP1の予告編といった形でも使用可能で、
CL4〜6程度のPCが集まってプレイする前提です。
時間がない場合は探索パートを若干省略しても良いでしょう。
クライマックスバトルにはちょっとした特殊ギミックを追加します。
ボスはかなりの強敵ですので、CL合計が20以下のPTの場合取り巻きを削除すると良いでしょう。



Bシナリオ進行

あなたたちが港町シーリンクのエクスプローラーギルド(もしくはギルドに協力している宿屋)で
くつろいでいると、エクスプローラーギルドの職員と女性が早足で入ってきます。
すっかり夜も更けてしまっているというのに、ただならぬ雰囲気です。

「急ぎの依頼が入った、今すぐに出れるエクスプローラーはいるか?」

あなたが名乗り出ると、ギルドの職員は以下の情報を教えてくれます。
真面目そうな壮年の男性です。

「少年の名前はテイラー。いつものように遊びにいったきり、戻ってこなくなったそうだ。
 親御さんからディフェンダーギルドに捜索依頼が出たのを
 エクスプローラーギルドのほうに回すことになったというわけさ。
 彼らが遊び場にしていた『秘密基地』の付近を探してほしい。
 『秘密基地』ってのは、用途不明の建物なんだが・・・入口がどこにもなくてただの廃墟だと言われてるよ」


ギルドの職員は周辺の簡単な地図を渡してくれます。
その地図によると、行方不明になった場所はシーリンクの市街地を大きく外れた荒れ地です。


テイラーの母「シェーン」もシーリンクのエクスプローラーギルドに来ています。
髪が長く落ち着いた雰囲気の女性ですが、かなりおどおどした様子です。

「ああ、いつも危ないことはしないで早く帰っておいでって言っているのに・・・
 あんな子ですが主人を大侵攻で失ってしまった今となっては唯一の家族なんです。
 どうか、どうか無事に助け出してくださいまし・・・!」


シェーンはあなたの手をとり、懇願します。
報酬の話をすれば、1人あたり1000GPを約束されます。
買い物などがあれば500GPまでは前金で支払ってもらえます。



C施設探索

地図で指定のあった場所に向かうと、
ほどなく銀色の大きな建物を見つけることができます。

建物はかなり大きなドーム状で、直径はおよそ100m、
高さはおよそ20mといったところです。

エクスプローラーギルドでは「ただの廃墟」と伝えられますが、
建物はその役割を思い出したかのように煌々と輝いており、
入口らしきシャッターが開いているのを発見できます。
それ以外の場所はいくら調べても侵入できないのでここから入ることになります。
(よじ登れば屋上は透明なドームに覆われており、
 その中に銀色の船があることもわかりますが、中には入れません)

施設の内部は薄暗く、壁には星の瞬きのようなか細い光が点灯しています。


1:遊覧船発着施設全体マップ



・第1の部屋(D11付近)


第1の部屋に入ると、頭部に三日月のような飾りをつけた
少女型警備装置(アルテミス)が立っています。

「ワンダラーのみなさん、遊覧船発着場へようこそ!
 ・・・と、申し上げたいところなのですが我らの同胞が暴走してしまい、
 この施設を占拠されてしまいました・・・
 どうか、暴走した同胞を破壊してこの施設を復活させてくださいませ!
 なお、このダンジョンはクリアするか全滅するまで脱出できませんのでご注意ください」


何か質問をしても、同じような言葉を繰り返すだけです。
(このアルテミスはただの案内用で、対話成長型AIが搭載されていません)
また、アルテミスが会話を始めると同時に入口のシャッターは閉まってしまいます。

なお以後登場するアルテミス(及びアルテミス像)は、
すべて頭部に三日月のような飾りをつけています。
それを描写しておくと良いでしょう(第5の部屋の謎解きのため)



・第2の部屋(D6付近)

「侵入者発見!侵入者発見!直ちに排除致します」

第2の部屋に入るとけたたましい警報を鳴らしながら
少女型警備装置アルテミス(CL8)が2体襲い掛かってきます。
この戦闘は「ボコスカ戦闘」で処理をすると良いでしょう。
ヘクスシートを使用したい場合は大項目『無限の迷宮』の、
小項目「夢幻の迷宮概要」の汎用シートを使って下さい。

この部屋には宝箱も2つ置いてあります。
中身は1Dを振って決定します。

・宝箱の中身

1:高級HPポーション(消耗品)
2:高級FPポーション(消耗品)
3:高級抵抗ポーション(消耗品)
4:高級鉄壁ポーション(消耗品)
5:マジックパウダー:火、氷、雷の3点セット(消耗品)
6:1000GP

宝箱の片方には[感覚−6]判定で解除可能な鍵が設置されています。
鍵の解除判定は1回のみ可能で、失敗すると二度と開きません。
【盗賊の極意】や【ロックスミス】が有効です。

もう片方には[感覚−6]判定で解除可能なトラップ「クロスボウ」が設置されています。
トラップの解除判定は1回のみ可能で、失敗すると即座にトラップが発動します。
【盗賊の極意】や【ロックスミス】が有効です。

クロスボウ
宝箱を開けようとしたキャラクターに強力な矢が放たれる罠。
対象1体に「3D+20」の「刺突」属性ダメージ。「ドッジ−4」で〔回避〕が可能。



・第3の部屋(J4付近)

第3の部屋に入ると、第1の部屋とは別のアルテミスがカプセルの中で眠っています。
あなたたちが近づくと、アルテミスは目を覚ましてカプセルも開きます。

「あなたが・・・この遊覧船発着場の時を動かしたのですか?
 私はこの施設の『所長』です。これからあなたを発着場までご案内します」


船長のような姿をしたアルテミスは自らを所長と名乗ります。
名前はつけられていませんが、PCが名前をつけてやればそれに従います。
対話成長型AIが搭載されており、通常のNPC同様の受け答えや
感情表現も可能です。質問があれば答えてくれるでしょう。
想定される質問については以下のように回答します。
(答えようがない、わからない質問には「よくわかりません」と返答します)


Q:この施設は何のために作られた?
A:ワンダラーのために作られた施設とお伺いしております。
屋上にはフィルトウィズを一周する遊覧船ハヤブサ号があるはずです。

Q:なぜこの施設は止まっていた?
A:「ワンダラーがいなくなったから」とお伺いした記憶があります。
誰かが中に入れば再度動き出す設定になっていましたが、
入口は固く閉ざされていたため永遠に動くことはないと思っておりました。

Q:この施設を作ったのは誰?
A:寝起きのため覚えておりませんが、偉大な方であったはずです。

Q:この施設のボスは?
A:ジャイアントアルテミスです。デッカイ強いマシーンです。データは秘密です。

Q:男の子を見なかった?
A:今まで眠っていたのでわかりません。

Q:ぱんつ何色?
A:そのようなものは着用しておりません。

※GMへの補足
この施設は新たに実装予定だったクエスト形式のダンジョンです。
しかし、実装前に「消失の日」を迎えてしまったため日の目を見ることなく、
フィルトウィズ内部では「建築の途中で放棄された廃墟」と認識されていました。
テイラーは願いをかなえるレアアイテム「wish star」に「この秘密基地に入りたい」と望みましたが、
どこに入るかを指定していなかったため、第5の部屋に飛ばされて立ち往生しています。
(wish starは持ち主の第七魔将ザバーニーヤと一緒で少々ひねくれた性格なのかもしれません?)



・第4の部屋(N6付近)


「この部屋は暴走した同胞によって警備マシンが置かれています。
 あなたの知恵と勇気で乗り越えてくださいませ」


第4の部屋では3体のアルテミスの姿をした像が絶え間なく射撃掃射を行っています。
なんとか像を破壊するか、射撃掃射を潜り抜けていくしかありません。
「所長」はすーっと空を飛んで通り抜け、第5の部屋の扉の前で手招きしています。

名称:アルテミス像
HP:100  分類:ギア
防護:打撃4/斬撃6/刺突8/火炎6/冷気6/電撃0
攻撃:レーザーガン(銃)・・・命中15 3D+20(刺) 射程20(射撃)
解説:第4の部屋を守るアルテミス像。音に反応して射撃を行う。
AIは搭載されておらずただのトラップのようなもので、
倒してもGPやアイテムを入手することはできない。


パターン1:像を破壊する
「ボコスカ戦闘」を行い、ダメージ100点ごとに1つの像を破壊できます。
「ボコスカ戦闘」を1ラウンド行ったあと、パターン2に移行しても構いません。


パターン2:強引に突っ切る
攻撃は行わず、銃での攻撃を回避しながら突っ切ります。
攻撃のターゲットは部屋の中にいるキャラクターからランダムに決定して、
【アテンション】などによるターゲット操作も無効です。
部屋を抜けるのにかかるターン数は以下の通りです。

〔移動〕15〜・・・1ターン
〔移動〕8〜14・・・2ターン
〔移動〕5〜7・・・3ターン
〔移動〕4以下・・・4ターン

もちろん、部屋の中に1人だけが取り残されると危険です。
(よほど高い「刺突」属性への防護点があれば別ですが)
ある程度足の遅いキャラクターに合わせる必要があるでしょう。


パターン3:攻撃パターン解析
ギアに詳しいキャラクターであれば、アルテミス像の攻撃パターンを解析可能です。
PC全員が[知力−6]判定を行い(【魔道工学のススメ】が有効です)
1人でも成功すればアルテミス像は足音に反応して銃を撃ってくることがわかります。
足音以外には反応しないので、以下の方法であれば攻撃されません。

・飛行する
・アカシックホイール(及び【トランスポート】で移動する
・忍び足で動く([敏捷−2]判定。
(【野伏の歩み】有効。全員で移動しても1人ずつ移動しても構わない。
 誰かが判定に失敗した場合はパターン1か2へ)


いずれの方法にせよ、第4の部屋を抜ければ第5の部屋に進むことができます。



・第5の部屋(N11付近)

「は、腹が減ったあ・・・暗証番号なんて言われてもさっぱりわかんないし・・・
 あれ、兄ちゃんたちどうしてここに?ひょっとしてエクスプローラーさんかい?
 いやあ、なんか変な流れ星に秘密基地に入りたいって願ったら
 こんなところに飛ばされちゃってさ!向こうの部屋はおっかねえ警備マシンがいるし
 こっちの扉は暗証番号が必要だっていうし立ち往生してたってわけさ!」


※電子の妖精アニーが同行している場合
「ああ・・・こんなとこに落としてたのね・・・
 ま、たいした願いに使われてなくて良かったわ(ボソッ」



第5の部屋に入ると少年テイラーが壁によりかかってへたりこんでいます。
腹が減ってぐったりはしているものの、外傷などはありません。
何か質問があればプロローグの内容を参考に答えてあげると良いでしょう。

次の部屋に向かう扉には暗証番号を押すタイプの鍵がかかっています。
その隣にはプレートがあり、以下のような文字が書いてあります。

「5つの部屋を守っていた月の女神の人数を順番に記せ」

これは、アルテミスが何体配置されていたかを解答すればよいので、
正解は「12130」となります。間違った番号を入力するたびに
「クロスボウストーム」が発射されます。
プレイヤーが何体配置されていたか覚えていなかった場合、
有利な特異点「精緻な記憶」があれば教えてあげても良いでしょう。

クロスボウストーム

矢の嵐が放たれる罠。PC全員に「3D+20」の「刺突」属性ダメージ。
「ドッジ−4」で〔回避〕が可能。


1回で正解できなかった場合、所長からヒントを与えても良いでしょう。

ミス1回:「月の女神」とは我々アルテミスのことです。
ミス2回:「守っていた」人数ですので、破壊されたり移動したりしても関係ありません。
ミス3回:・・・あまりに可哀想なので正解を入力します。12130です。


無事暗証番号を入力できたら、屋上に進みます。



・屋上

「さあいよいよジャイアントアルテミスとの対決です。
 奴を倒してこの遊覧船発着場に平和を・・・あれ?いないですね。
 ・・・まあ、いないものは仕方ないので遊覧船を飛ばしましょうか」


「ひゃっほーう!この船、ほんとに空を飛ぶんだ!!乗ってみようよ、な、な、いいだろ!?」

本来はボスがいたはずの部屋ですが、実装前に破棄されたダンジョンのためボスはいません。
中央には大きな銀色の船が鎮座しており、周囲には船を制御するためのコンピューターが動いています。
(実際に制御しているのはフィルトウィズのプログラムであるため、コンピューターはただの飾りですが)

「真実を知る者」であれば、現実世界の宇宙船に酷似した見た目であることがわかるでしょう。
(もっとも、人が乗り込むのは甲板部分なのでそのままというわけではないですが)
テイラーはしきりに乗りたがりますし、この船に乗る以外にクエストをクリアして
この施設を脱出する手段がないので、PCもこの遊覧船に乗り込むことになります。

「管制装置、全て良好。風よし、方角よし。
 では、フィルトウィズ1周ツアーへ、遊覧船ハヤブサ号いざ出発進行!」


屋上を覆っていた透明なドームが開き、遊覧船は飛び立ちます。



D遊覧船出発〜クライマックスバトル

「うおおお、すげえええっ!見ろよ、シーリンクの町があんなにちっちゃいぜ!」

「・・・私は遊覧船発着場の所長でありハヤブサ号の船長でしたが、
 本当にこの船を動かすのは今回が初めてでしたし、
 眠りについた時には、二度と目覚めることすらないと思いましたから・・・
 なんというかその、感慨深いとでも申せば良いのでしょうか」

ハヤブサ号は旋回しながら上昇して一定の高度に達すると、
自動制御でフィルトウィズを反時計回りにぐるっと飛行していきます。
飛行ルートは以下の図のようになっており、
別の地方に移動する前にアイテムや特技を使用して回復などを行って構いません。
時間がない場合はこの遊覧船のシーンを天体観測所までカットして、
以下のナレーションのみにしても良いでしょう。

「ハヤブサ号はシーリンクからフィルトウィズを一周する。
 だが美しい城と町並みで知られたスノーホワイトは誰一人いない凍った町に、
 ギアフォレスの工場は魔族に占拠され、
 緑豊かなファイアフォートレス地方には砂漠と溶岩地帯が広がるのみだった。
 世界の中心とまで呼ばれたグランシュタット地方ですら、
 世界樹とその根によりまるで森林の中に存在する廃墟であるかのようだった。
 所長はフィルトウィズのあまりの変化に大きなショックを受けていた・・・」

2:遊覧船進行ルート
遊覧船航路


・アズマの国
「アズマの国はガンエデン東部の島国で、独特の文化が発展しています。
 通常は『アズマ』と略されることが多いですが、地域によって文化は異なります。
 物見遊山の旅に出かけてみるのも良いでしょう」



「はあー、今日もミヅホは概ね平和なのです・・・って、あれはなんなのですー!?おーい、おーい!」


所長が一通り話し終えると、遊覧船はミヅホ城の上空を通過します。
狐のミコさんが神社から手をふり、船にも桜の花びらが飛んできます。


・スノーホワイト地方
「ガンエデン大陸北部に存在する極寒の町、スノーホワイトです。
 工芸が発達しており、クリスタルキャッスルの美しさは
 町には寒さに負けず生き生きとした人々が・・・」


そこまで言って、所長は押し黙ってしまいます。
建物が全て凍りつき、人が生活している気配は全くありません。

「あ、見てよあそこ!お城に人がいるよ!」


テイラーは指差したクリスタルキャッスルのバルコニーには、黒いドレスの少女が佇んでいます。
ドレスの少女は遊覧船に気付いて、はっとした表情で見上げますが、
彼女が期待したものと違ったのか、すぐに落胆の色を見せます。
そして何が気に喰わなかったのか、船を目がけて大きな鎌を投げつけてきます。

鎌は船をかすめるだけですが、余波の冷気だけでダメージを受ける可能性があります。
致傷力は20点の「冷気」属性ダメージで、[感覚−4]判定でとっさにしゃがめば無効化できます。
テイラーは所長がかばうため大丈夫です。


・ギアフォレス地方
「ガンエデン大陸西部に存在する魔道工学の町、ギアフォレスです。
 ・・・ここも魔族に占拠されてしまったのですね。
 しかし、工場は動いているようですから魔族が使っているのでしょう」


「げほっげほっ!工場の煙がすごいや、目にしみるー!」

ギアフォレス地方は工場をフル稼働しているせいか煙がひどく、
咳き込んでしまう可能性があります。
(もちろん、フィルトウィズの工場で実際に煙を出す必要はないのですが)

〔抵抗−3〕で判定を行い、失敗するとシナリオ終了まであらゆる判定に−1のペナルティを受けます。
これはバッドステータスと扱うため、「中和ポーション」や【キュアー】で回復可能です。

ギアフォレス地方を離れる直前に、「歯車の森」を歩く鋼鉄の巨人が見えます。
その巨人の肩には豪華なローブを着た賢者らしき人影が乗っています。

「・・・あの方に、見覚えがある気がします。偉大なるお方のうちの1人」


・ファイアフォートレス地方
「ファイアフォートレス地方は、豊かな緑と泉の広がる密林地帯・・・。
 だったのですが、いくら見渡せど砂漠が広がるばかりですね・・・」


船が砂漠を越えて火山の山頂付近に差し掛かると、
燃えるような髪の青年と巨躯の赤い龍が一騎打ちをしています。
赤い龍が凄まじい炎を吐き、一瞬視界が遮られてしまいますが
(今度は警戒しているのでダメージを受けるかどうかの判定は不要で演出のみです)
炎が消え視界が開けると、青年の巨大なハルバードが龍の頭部を貫いています。

「か、かっけー!あんな何倍もでかい龍をたった一人で!物語の英雄みたいだ!」


・グランシュタット騎士団領

「なんだか町が森みたいだなあ・・・ここが世界の中心地だったなんてホントなの?」

「これはこれで、なんだか美しいと感じてしまうのはおかしいでしょうか?」

グランシュタットは世界樹と魔将樹の根が絡み合い、
以前の繁栄は見る影もなく、森の中にある廃墟のようになっています。

途中で遊覧船は世界樹に金色に輝く世界樹の花が咲いている一角を通り、
きらきらと花粉が舞い散ります。この花粉の力でPC全員の〔HP〕と〔FP〕が10点回復します。
〔HP〕と〔FP〕が両方満タンの場合はフォーチュンが+1されます。
(シナリオ終了まで一時的に限界値も上昇します)

船は世界樹のトンネルを抜け、更に高度を上昇させていきます。


・天体観測所

「これが・・・天体観測所と『新しき星』なのか・・・?
 なあ姉ちゃん、あの『新しき星』に向かう方法はないのかな?」

「この船は完全自動制御ですので、決められたコースしか飛べません。
 しかし、あの天体観測所が手動で動かせるとするならばあるいは・・・
 私の見立てでは、天体観測所は巨大な船であるように思えます」


遊覧船はフィルトウィズの地表を遥かに離れ「天体観測所」付近を飛行します。
フィルトウィズは宇宙のような場所でもきちんと空気があり、
肌寒いものの生活可能な温度が保たれています。
(突き詰めればフィルトウィズでは呼吸が不要ということになるのですが)

※電子の妖精アニーが同行している場合
天体観測所のデッキでこちらを眺めていた黒髪のメイドが、
何かに気付いたのか血相をかえて叫びます。
そして、『星屑の獣』フォーマルハウト(CL15)と配下たちをけしかけます。
(アニーを捕獲しようとしているようです?)

※電子の妖精アニーが同行していない場合
天体観測所の周囲を飛ぶ衛星のうち1つの窓からは、
純白のドレスに身を包んだフラウの少女がこちらを眺めています。
遊覧船を見ると満足げに微笑み、こちらを指差して何かを喋ります。

彼女の言葉に呼応するかのように、煌めく狼のような獣
『星屑の獣』フォーマルハウト(CL15ネームド)が天体観測所のデッキから飛び移ってきます。
無事にフライトを終えるためには、彼らを撃退しなくてはなりません。


3:クライマックス戦用ヘクスシート

明るい床:高い位置にある床です。高い床から低い床への攻撃の〔命中〕には+2のボーナスがあります。
暗い床:低い位置にある床です。低い床から高い床への攻撃の〔命中〕には−2のペナルティを受けます。
昇り階段(4か所):低い床から高い床方向へ移動する場合のみ、侵入に〔移動〕を2消費します。
            階段の高さについては「高くも低くもない」と定義します。
下り階段(1か所):階段のヘクスにいる場合のみ【コメット】【スターエクスプロード】の〔回避〕判定が自動成功します。
柱(4か所):隣接していると【コメット】【スターエクスプロード】で受けるダメージが10点軽減されます。
灰色の壁:通行不可能なヘクスですが、遮蔽ではありません。

・PC配置
X座標がD〜Mのいずれかになるように配置(中央〜左側)

・エネミー配置
『星屑の獣』フォーマルハウト(P7に配置 CL合計20以下の場合〔HP〕は300であらゆる致傷力は−5)
スターウルフ×2(Q4、Q11に配置 CL合計20以下の場合は削除)
サーバント(T7に配置 CL合計30以下の場合は削除)

PCが手こずるようなら所長を援軍に追加してください。
能力は以下の通りで〔HP〕が0になると離脱します。(死亡はしません)




「私も戦います。みなさんを守りたい、今強くそう思いました」

名称:所長
キャラクターシート(エクセル)
キャラクターシート(画像)

CL:8  分類:ギア
体力:10  敏捷:15  感覚:15  知力:10  意志:10
HP:58  FP:22  命中:20
ドッジ:15  パリイ:13  シールド:不可
移動:10  先制:15  抵抗:10
防護:打撃13/斬撃11/刺突9/火炎11/冷気11/電撃8
攻撃:アルテミスショット(銃)・・・3D+15(打刺) 射程20(射撃)

・特技
常時【飛行移動】:「移動妨害」を受けずBS「☆転倒」から行動を消費せず復帰
被ダメ【プロテクトビット2】:FP4 対象が受けたダメージを「3D+20」軽減 射程10 CT:次ターン
支援【命中支援ビット】:FP3 次の使用者のターンまで対象の〔命中〕+4 射程10
行動【アルテミスレーザー2】:FP3 命中21 3D+35(打刺) 射程10(魔法) 「パリイ」不可



実際に操作するのは負担が大きいと感じるようであれば、
一時的にペットとして装備できることにしても良いでしょう。
その場合はアルテミス(ペット)と同じ能力を持ち、装備者の〔命中〕に+2のボーナスを与えます。
無事『星屑の獣』フォーマルハウトを倒せば「Fエピローグ」に進みます。



Eエネミーデータ

名称:アルテミス

CL:8  分類:ギア
体力:8  敏捷:15  感覚:15  知力:12  意志:8
HP:54  FP:19  命中:21
ドッジ:15  パリイ:不可  シールド:不可
移動:10  先制:15  抵抗:8
防護:打撃4/斬撃6/刺突8/火炎6/冷気6/電撃0
攻撃:アルテミスショット(銃)・・・3D+18(打) 射程20(射撃)

・特技
常時【飛行移動】:高度10mまでで飛行可能
支援【命中支援ビット】FP3 次の使用者のターンまで対象の〔命中〕+4 射程10
行動【ファイアボール2】:FP2 命中21 3D+24(打火) 射程10(魔法) 「パリイ」不可
行動【アイスダガー2】:FP2 命中21 3D+24(刺冷) 射程10(魔法) 「パリイ」不可
行動【ライトニング2】:FP2 命中21 3D+24(斬雷) 射程10(魔法) 「パリイ」不可

解説:ギア技術で作られた50cmほどの警備ユニット。形状は球体から人間型まで様々。
「アルテミス照準システム」を搭載しており、その攻撃は高い命中精度を誇る。
のみならず、【命中支援ビット】を放つことで他のキャラクターの援護も可能。

レア:命中支援ビット(装飾品)



名称:スターウルフ

CL:5  分類:魔獣
体力:13  敏捷:13  感覚:12  知力:8  意志:11
HP:68  FP:20  命中:15
ドッジ:12  パリイ:不可  シールド:不可
移動:8  先制:12  抵抗:11
防護:打撃0/斬撃0/刺突0/火炎0/冷気0/電撃0
攻撃:輝く爪(格闘)・・・3D+15(斬) 射程1(近接)

・特技
支援【ブルーバリアー】:次ターンまで「打撃」「斬撃」「刺突」の防護点が30になる
   【レッドバリアー】と同時には使用できない CT:1ターン
支援【レッドバリアー】:次ターンまで「火炎」「冷気」「電撃」の防護点が30になる
   【ブルーバリアー】と同時には使用できない CT:1ターン
行動【ソニッククロー】:FP5 命中19 3D+15(斬) 2回攻撃(別々ターゲット可) 射程1(近接)
行動【コメット】:FP10 命中15 3D+20(打火冷雷) 射程20(魔法)

解説:『星屑の獣』フォーマルハウトに付き従う、星の狼たち。
なにかの拍子に地上に落ちてきて暴れることがまれにあるらしい。
体には星屑のような宝石がいくつも埋め込まれており、それを利用して防御結界を作り出すことができる。
【ソニッククロー】で素早く敵を切り裂き、隕石を呼び寄せる魔法【コメット】は長い射程を持つ。

レア:スターシュリケン(装飾品)



名称:『星屑の獣』フォーマルハウト(BOSS)

解説:天体観測所のデッキで放し飼いにされている魔獣。
とんでもない暴れ者で観測所のサーバント達も手を焼いているが、
第七魔将ザバーニーヤにとっては退屈しのぎのいいオモチャらしく、手放そうとしない。
【ブルーバリアー】と【レッドバリアー】で守りを固め、
ピンチになると激高して、いくつもの流星を炸裂させる【スターエクスプロード】を放つ。

CL:15  分類:魔獣/ネームド
体力:15  敏捷:15  感覚:13  知力:8  意志:12
HP:400  FP:128  命中:17
ドッジ:13  パリイ:不可  シールド:不可
移動:10  先制:13  抵抗:16
防護:打撃0/斬撃0/刺突0/火炎0/冷気0/電撃0
攻撃:輝く巨大な爪(格闘)・・・3D+25(斬) 射程1(近接)

・特技
常時【ネームドエネミー】:HP0以外で気絶せずBSをターン開始時に打ち消す 打ち消し時CL分HP消費
支援【ブルーバリアー】:次ターンまで本体の「打撃」「斬撃」「刺突」の防護点が30になる
   【レッドバリアー】と同時には使用できない CT:1ターン
支援【レッドバリアー】:次ターンまで本体の「火炎」「冷気」「電撃」の防護点が30になる
   【ブルーバリアー】と同時には使用できない CT:1ターン
行動【ソニッククロー】:FP5 命中21 3D+25(斬) 2回攻撃(別々ターゲット可) 射程1(近接)
行動【スターエクスプロード】:FP15 命中17 3D+30(打火冷雷) 射程20(魔法)
   対象全員を攻撃 CT:1ターン HP200以下で使用

☆行動パターン
1:【ブルーバリアー】と【レッドバリアー】を交互に行う。
2:〔HP〕が200以下になるまでは最も近くのキャラクターに【ソニッククロー】を使用する。
  射程内に2人以上のキャラクターがいる場合は別々のキャラクターを狙おうとする。
3:〔HP〕が200以下になると【スターエクスプロード】を使用する。


部位:鞭の尾
HP:100
防護:打撃0/斬撃0/刺突0/火炎0/冷気0/電撃0
攻撃:星屑の鞭(鞭)・・・3D+20(打火冷雷) 射程5
破壊:なし

解説:先端に星のような分銅のついた鞭、といった形状をしたフォーマルハウトの尾。
この尾による攻撃は【ガーディアンスピリット】などのターゲット操作効果を受けない。
バリアーの影響を受けれない部位であるため、攻撃すれば比較的脆い。

通常:1500GP
レア1:ういっしゅすたー(大事なもの)
レア2:星屑の鞭(鞭)

・電子の妖精アニーが同行している場合
すべてのドロップ品に「ういっしゅすたー」を1個追加



E’本シナリオ専用エネミードロップ
(本シナリオ終了後自由に購入可能)

名称:星屑の鞭(鞭)
攻撃:5  体力:11  属性:打撃/火炎/冷気/電撃  射程:5(近接)
命中:0  パリイ:−4  価格:30000GP
解説:『星屑の獣』フォーマルハウトの尾でできた、七色に煌めく鞭。
多くの属性を持ち、高確率で弱点をつくことが可能。

 

Fエピローグ


『星屑の獣』フォーマルハウトは、断末魔の叫びをあげて遊覧船から落下していく。
フォーマルハウトをけしかけた純白のフラウはまた何かを呟きます。
[感覚]の高いPCであれば喋っていることがわかるでしょう。
(これは判定不要でかまいません)

「ありがと。そこそこの退屈しのぎになったわ」


遊覧船はゆっくりと『新しき星』を横切るように降下していき、
発着場へと戻っていきます。帰りはマップのJ15〜J17に
下り階段が出現するためそのまま脱出可能です。

「ありがと、姉ちゃん!すごく楽しかったよ!
 ・・・あれ、姉ちゃんは一緒にこないのかい?」


「私はあの施設を管理するために作られた存在ですから。
 例えあの施設が打ち捨てられた未完成のものだったとしても、
 残るべきではないか・・・という考えに至りました。
 みなさん、遊覧船のご利用ありがとうございました。
 私にもこうして1度でも生まれた意味を与えて下さり、感謝しております」



所長は知らず知らずのうちに涙を流して礼を述べます。
テイラーはシーリンクに連れて帰ることになりますが、所長をどうするかはPC次第です。
そのまま所長を施設に残すのも、施設の新たな活用法を探すのも、
所長を外の世界に連れ出すのも、きちんと説得すればいかようにも可能でしょう。

*

(以下、電子の妖精アニーがいない場合)
空からテイラーが持っていた「七色に光る星」を模した
手縫いのアップリケ(ういっしゅすたー)が落ちてきます。

「わわ、なんか振ってきた!?これは探索者さんにあげるね、
 きっとこいつにだって願いを叶える力があるよ!」


テイラーは満面の笑みで、アップリケを拾い上げてあなたたちに渡してくれます。


「あなたたちがここまで来るのを気長に待ってるわ、探索者さん。ここは退屈すぎて死にそうよ」

純白のフラウは少し満足げに呟き、天体観測所の第4衛星の窓からアップリケを落とした。

*

フィルトウィズ正式稼働中に全てのワンダラーが夢見た、
なんでも願いを叶えることのできる魔法のアイテム「wish star」。
しかしながらそれを作り出すことのできる、
第7魔将ザバーニーヤの本人の願いを叶えることだけはできない。
はたして彼らエクスプローラーの中に、彼女の願いを叶えるほどの者が現れるのか?
・・・それはまた別の冒険の話となる。


サブシナリオ「星に願いを」 -完-




G清算と裏話

お疲れ様でした。シナリオを無事クリアした場合、PC全員に1000GPと
アタッチメント割引券1枚、エネミーのドロップ品売却額を与えてください。
PCが特に優れたロールプレイを行ったと感じた場合、
アタッチメント割引券を2枚与えても良いでしょう。

また、所長と心が通じ合ったと感じた場合、
所長が今後の冒険に同行してくれるかもしれません。
その場合はアルテミス(ペット)を入手可能です。
このペットはいくらか通常のアルテミスより強化しても構いませんが、売却不可となります。
もしくは所長のその後をPCとして演じることも可能でしょう。
(通常にCL8のキャラクターを作成するのと同じルールで作成しています)


・裏話

Q:なぜクリスタルキャッスルの少女(第四魔将デス)は不機嫌だった?
A:第二魔将グレイヴディガーが「死者の箱舟」で自分を迎えに来たと思ったら
  全く無関係な船だったからです。

Q:所長の言う「偉大な方」とは?
A:第六魔将バロールと第五魔将○○○○です。

Q:なぜテイラーは中途半端な位置に転送された?
A:事件を起こして探索者を呼び寄せたかったのかもしれません。


・イラスト
「ジュエルセイバーFREE」様 URL:
http://www.jewel-s.jp/

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