メインシナリオ6章「歯車の見た夢」
シナリオ原案:marsh データ制作:marsh

推奨CL合計値:90〜120

※GM以外は「Bファクトリー入口にて」以降を見ないほうがシナリオを楽しむことができるでしょう。
プレイヤーとして参加する場合はご注意下さい。

@導入 Aシナリオ概要 Bファクトリー入口にて  C包囲網を切り抜けろ!
Dファクトリー探索 Eエレベーターアタック! Fエネミーデータ Gエピローグ  H清算



@導入

「さーて、次の目的地は魔道都市ギアフォレスよ。カベノソトでもかなり奥まったとこだけど、
 死者の箱舟を使えばひとっとびよ。アタシの先見の明は素晴らしすぎるわね」


アニーは得意げに、無い胸を張りながら言った。
・・・まあ、豊満なフラウなんてあまり聞いたこともないが。

「・・・今なにか余計なこと考えてなかったかしら?
 まあいいわ、第六魔将バロールならあなたの知りたいことに答えてくれるはずよ」


人間でありながら魔族になることを選んだ者。
人間でありながら非道を働く者。
魔族でありながら人間と信じあった者。
クリスタルキャッスルでデスの話していた謎の敵性存在。
そして度々アニーが口にする「盟約」。
フィルトウィズはあなたが思っていたよりずっと複雑な世界のようだ。
それらの世界の謎に、バロールは答えてくれるのだろうか?

「そうね、あなたたちもいつまでも漠然と魔将退治の旅をするより、
 彼から話を聞いておいたほうが有意義じゃないかしら。
 この世界の創られた目的や、なぜ新しき星に向かう必要があるのか・・・」


そんな話をしているうちに箱舟は「歯車の森」を飛び越え、
あなたはギアフォレスの上空に到着した。
町の各所からは蒸気が噴き出し、
その中央にはひときわ大きな工場が見えた。

「さ、ここの中央区画にある『奇跡の工房』が第六魔将バロールの居城よ。
 ここから先はさすがに船じゃ行けないし、降りて進みましょ」




Aシナリオ概要
このシナリオはファクトリー内部で次々と襲い掛かる困難を切り抜ける、ダンジョン探索型のシナリオです。
「C包囲網を切り抜けろ!」と「Dファクトリー探索!」の道程の一部は
省略しても問題ないので、時間がない場合は省略すると良いでしょう。




Bファクトリー入口にて

「おやおや、この工場に来訪者とは珍しい・・・
 しかもどうやら人間のご様子、一体どういったご用件でしょう?」

工場に一歩足を踏み入れると、機械とも人間ともつかない音声が聞こえた。

「バロール、アンタに知恵を借りたいって人間を連れて来たわよ。
 見込み有りそうなら色々教えてやってちょうだい」


アニーはそのアナウンスに対してバロールと名前を呼んだ。
つまり、このアナウンスをしたのは第六魔将バロールということだ。

「ほっほっ、あなたがおっしゃるのなら仕方ありませんな。
 しかしまあ・・・私も忙しいのです、話を聞く価値があるかどうか・・・」


そこまで言うと、工場のあちらこちらが蒸気を吹き出し、
赤い光と共に警報音が鳴り響いた。

「この子たちの攻撃を潜り抜けて私の下にたどり着けるかどうか、見せてもらいましょうか」

工場のコンベアや開かれたシャッターから無数のゴーレム達があなたに迫ってくる!
これでは多勢に無勢だ、包囲網の薄いところを見つけて突破するしかない。

「あっちゃー、予想通りの展開ねえ。ま、ちょちょいっとこの程度は
 突破できるぞってところをアイツに見せてやりなさい♪」


あなたはこうなるとわかっていて連れてこられたらしい。
アニーに恨み言の一つや二つ言ってやりたかったが、生憎そんな余裕もなさそうだ。
とっくに入口のシャッターは閉まってしまった、前進してバロールの下にたどり着くしかない。
あなたは意を決して、機械兵の群れの中へと飛び込んでいった。



「この工房にエクスプローラーがやってくる時が来ましたか。
 想像よりは随分とお早い、無事にここまで辿り着くのを期待していますよ」


バロールは僅かに目を細め、再び自らの作業へと没頭し始めた。



C包囲網を切り抜けろ!

バロールの声を合図に、周囲工場のあちこちの壁のシャッターが開き、
無数のゴーレムが出現します。これは「ボコスカ戦闘」で切り抜けますが、
以下の特別な処理を適用します。

・PCは〔移動〕の値だけあらゆる致傷力にボーナスを得る。〔副能力〕の値をそのまま使用。
・PCは〔回避〕の値だけあらゆる防護点にボーナスを得る。〔副能力〕の値をそのまま使用。
・使用タイミングが「与ダメージ直前/直後」「被ダメージ直前/直後」の特技を使用可能。
・エネミーは1体だが範囲攻撃使用時は2体いるものとしてダメージを計算する。

名称:ゴーレム軍団
HP:1500
防護:打撃20/斬撃25/刺突30/火炎30/冷気30/電撃10
攻撃:一斉掃射・・・3D+200(打刺火)
解説:ファクトリーを守る警備ゴーレムの集団。
あまりに数が多いため、一角を切り崩して逃げることになる。
次々と増援が到着するためラウンドごとに致傷力が+50される。
(2R目は3D+250、3R目は3D+300・・・)

PCの強さに応じて以下の調整を行います。

CL合計値89以下・・・致傷力−50 〔HP〕−300
CL合計値90〜99・・・〔HP〕−200
CL合計値100〜120・・
・データ通り
CL合計値121以上・・・致傷力+50 〔HP〕+200



この戦闘はゴーレム軍団の〔HP〕を減らせば、
2ラウンド目以降の開始時に離脱可能です。以下の3パターンで分岐します。
(@)ゴーレム軍団の〔HP〕1000以下で離脱
(A)ゴーレム軍団の〔HP〕500以下で離脱
(B)ゴーレム軍団の〔HP〕を0にした

(@)の場合は入口左手の廃棄処理用の穴に飛び込んで逃げます。
(A)の場合は前方のベルトコンベアに飛び込んで逃げることも可能です。
(B)の場合は入口右手のドアを開けて逃げることも可能です。
(「D工場探索」のマップも参照してください)




Dファクトリー探索



マップ上の黄色いヘクス(H16〜19など)は「危険につき立ち入り禁止」と書かれています。
(止むを得ず立ち入ることになるかもしれませんが)
また、色の違う壁(黄色の壁)は破壊不可オブジェクトです。
ケイヴウォーカーの【ドリルクラッシャー】などでも破壊できません。


・エントランスホール(H15〜N19付近)
ゴーレムで一杯なので戻ることはできません。
ゴーレム停止後に戻ってきても、
入口のシャッターが閉まっているので脱出はできません。


・廃棄処理場(C16〜G19付近)
(@)のルートでまずやってくる場所です。
逃げ込む場所としては最悪の場所です。
不用品や失敗作がプレスされており、
PCも押しつぶされてしまう危険性があります。

PC全員が「ドッジ−6」判定を行い、
失敗すると「3D+100」の防護点無視ダメージを受けます。
横に開いたダストシュートを逆に通って「資材置き場」に出ることができますが、
かなりの手間と体力を使うため〔FP〕を10点消費します。


・搬送用コンベア(C13〜Q14付近)
(A)のルートでまずやってくる場所です。
製造したゴーレムを搬送するためのコンベアです。
このコンベアはQからCの方向へと流れており、
少々厳しいですがこれに乗って「完成品置き場」方面に逃げることもできます。

しかし途中に製品を急速冷却するためのガスが噴出しており、
FPに「3D+20」の「冷気」属性ダメージを受けます。
これで「★気絶」してしまうとそのままでは廃棄処理場に落とされてしまうので、
気絶していないキャラクターが運んであげる必要があるでしょう。

「コントロールルーム」まで逃げ込めば扉をロックできるため、
それ以上追いかけられることはありません。
1体のゴーレムがそれを助けてくれるでしょう。「完成品置き場」の項目も参照して下さい。


・休憩室(P16〜S19付近)

(B)のルートでまずやってくる場所です。
休憩室のドアはあまり頑丈ではないため、あまりゆっくり休むことはできません。
(ポーションを飲むぐらいの時間はあります)
放っておくと追手のゴーレムがすぐにドアを破ってきてしまうでしょう。
PCがあまりのんびりしているようなら再度ゴーレム軍団と戦わせても構いません。
(その際のエネミーの〔HP〕は500程度にしておくと良いでしょう)

休憩室には地図が貼ってあるため、どこがどの部屋か書かれた方の地図を
GMは提示しても良いでしょう。また、地図の隅には注意書きがあります。

※エレベーター起動やドアロック設定、警備ゴーレムの制御はコントロールルームで行うこと。


・資材置き場(P7〜S11付近)
(@)か(B)のルートでは早い段階で到着します。
すぐにゴーレムが追ってくるわけではありませんが安全というわけではありません。
休憩室から見て右手側の壁(T11)は通用門ですが、資材が積みあがっていて通れません。

資材置き場は管理されていないため多くの資材が乱雑に散らばっており、
素早く別の部屋に行くためには[敏捷−9]判定に成功しなければなりません。
この判定はPCの誰かが成功すればよく、【野伏の歩み】のボーナスが有効です。


☆[敏捷−9]判定成功時
判定に成功すればついでに資材から有用な鉱石などを発見できます。
どの程度のものが発見できるかはPC全員で[知力]判定を行い、成功度の合計で決定します。
失敗度を考える必要はなく、【盗賊の心得】【賢人の知恵】のボーナスが有効です。

成功度0〜9  :12000GP相当の鉱石
成功度10〜19:成功度0〜9に加え「壊れた機械」(12000GP相当)を入手
           【魔道工学のススメ2】以上で修理して電磁バリアー発生装置(36000GP/装飾品)に変化
成功度20〜29:成功度10〜19に加え「ういっしゅすたー」(大事なもの)×2
成功度30〜  :成功度20〜29に加え「ういっしゅすたー」(大事なもの)×3


☆[敏捷−9]判定失敗時
失敗すると資材が崩れてPC全員が「3D+30」の防護点無視ダメージを受けます。
さらに、最も大きなダメージを受けたPC(複数いる場合は全員)が
足に大きなダメージを受け、シナリオ終了まで〔移動〕〔回避〕に−2のペナルティを受けます。
この効果はバッドステータスと扱わず、回復手段はありません。


・研究棟(P3〜S5付近)
かつてファクトリー内部で研究を行っていた学者の記録が見つかります。
他の研究資材などは、残念ながらたいしたものが残っていません。

※描写
かつての研究棟であっただろう部屋は荒れ果てて、誰も使用していないのがわかる。
机の上に無造作に置かれた研究資料はドアが開いた際の風でひらひらとめくれ、
その様子はまるで、君たちに読まれるのを待っていたかのように見えた。

「あの『消失の日』から3か月が過ぎた。次の大侵攻をどうやって耐えればいいのだろう。
 ・・・いや、諦めてはダメだ。ゴーレムを量産体制にしてなんとしても魔族を迎え撃つのだ」

「ゴーレムをかつてないペースで生産するが、資材があっという間に底をついてしまった。
 以前はワンダラーがダンジョンの奥から貴重な資材を持ち帰っていたのだから当然と言える。
 誰かワンダラーの代わりにダンジョンへ・・・いや、無理だ。そんなことできるはずがない。」

「とうとう明日は大侵攻だ。・・・恐らく我々に勝ち目はないだろう。
 しかし、なんとかグランシュタットに攻め込まれるまでの時間を稼がねばならない。
 王国の若き王リーベルタースは聡明な人物と聞く。かの王に希望を託すのだ」

「追記:もし誰かがこの記録を読んだのなら、いまだに工場を守るゴーレム達を眠らせてやってほしい。
 警備ゴーレムの停止コードは王の誕生日にちなみ『0107』とする。
 また、完成品置き場に1体だけ工場ではなく人間を護るためのゴーレムを置いた、
 予備バッテリーを入れれば恐らく動くはずだ、心ある人間に使ってやって欲しい」



・コントロールルーム(H9〜N11付近)
多くのコンピューターとモニターが並んでいます。
コントロールルームでは以下のことができます。
(音声ナビがあるので操作自体は簡単にできます)

A:ドアの開閉
資材置き場方面のドア(O7)と完成品置き場方面のドア(G11)をロックできます。
これにより一時的にゴーレムの追手を防ぐことが可能です。
特に(A)のルートを通って来た場合はゴーレムに追われている状況のはずなので、
早急のこの操作を行う必要があるでしょう。
(@)(B)のルートの場合は資材方面置き場のドアをロックしておくべきでしょう。
(これを怠った場合は何らかのペナルティを与えても構いません。
 ゴーレム軍団をHP500程度まで減らして再度登場させても良いでしょう)

「シテイサレタ ドアヲ ロックシマス」

B:ゴーレムの停止
ファクトリー内で動いている警備用ゴーレムを全て停止させます。
この操作を行っていないと、クライマックス戦で増援が登場するため難易度が増加します。
停止させるには研究棟でコードを入手していなければなりません。
【ハッキング】があればコードを入手しなくても停止させられます。

「ケイビゴーレムノ テイシコードヲ ニュウリョクシテクダサイ」

C:エレベーターの起動
「奇跡の工房」へ向かうエレベーターを起動させます。
エレベーターは初期状態では電力が不足しているため、
実験棟で予備バッテリーを入手していなければなりません。
モニターには予備バッテリー置き場が表示されます。
(実験棟のF3付近です)

「デンリョク フソクデス ヨビバッテリーヲ シヨウシテクダサイ」


・実験棟(C3〜F7付近)
ファクトリーで作られたものの起動テストを行っていたであろう実験棟は、
何か巨大なものが暴れまわったかのようにボロボロになっています。
(この部屋だけ照明も壊されているためかなり薄暗くなっています)
また、地面に転がったゴーレムの残骸は何かに食い荒らされたかのようです。

PCの誰かが[感覚−9]判定に成功すると、何者かの気配を感じます。
「虫の知らせ」「猫の目」「鷹の目」「狐の耳」「犬の鼻」があれば
1つにつき判定に+4のボーナスを得ます。
「背中の目」があれば自動的に成功しても良いでしょう。

ここではイーターバグ(CL30)と戦闘になります。
先述の[感覚−9]判定に失敗していた場合、
エネミーの〔先制〕に+10、〔命中〕と〔回避〕に+2のボーナスを与えます。
時間がない場合「ボコスカ戦闘」で解決してもいいでしょう。

CL合計値99以下・・・2体出現
CL合計値100〜120・・
・3体出現
CL合計値121以上・・・4体出現


無事討伐できれば「予備バッテリー」(大事なもの)を2つ入手できます。
この戦闘からは2R目開始時に予備バッテリーを持って逃亡が可能ですが、
その場合「予備バッテリー」は1つしか入手できません。


・完成品置き場(C9〜F11付近)
(A)のルートでは早い段階で到着します。
(その時はゆっくり探索する時間はありませんが)
ファクトリーで作られた製品を置いていた倉庫ですが、
目ぼしいものはほとんど残っていませんが、
小型護衛用ゴーレムが倉庫の隅に倒れ掛かるようにしています。
(近くで戦闘が起こるまではスリープモードになっています)


(@)(B)ルートの場合
「貴方ガ 新タナ 御主人サマデスネ ゴ命令ヲ ドウゾ」
倒れている護衛用ゴーレムに実験棟で入手できる予備バッテリーを入れると、
護衛用ゴーレムは動き出します。予備バッテリーを持っていない場合も、
近寄ると僅かに目を覚まし、胸部モニターに「バッテリーヲ イレテクダサイ」と表示されます。

護衛用ゴーレムはペット扱いでついてきてくれます。
データは「F’アイテムデータ」のグレートナイト(ペット)を参照してください。


(A)ルートの場合
「最後ノ プログラムヲ 実行シマス コノ工場ニキタ 人間ヲ 守リマス」
ゴーレム達に追われた状態でこの部屋に来るはずですが、
この護衛用ゴーレムだけは襲ってきません。
近くを通りかかると護衛用ゴーレムは目を覚まし、
PC達を守るように他のゴーレム軍団に立ちふさがります。
これによってPC達はコントロールルームに逃げ込むことができます。
後で調べに来ると、護衛用ゴーレムは残骸になっています。

※描写
君たちを守った護衛用ゴーレムはバラバラの残骸になっている。
しかしようやく自らの使命を果たせたからか、どこか満足げでもあった。



・工房行きエレベーター(J2〜L4付近)
ファクトリー最深部「奇跡の工房」へ向かうエレベーターです。
このエレベーターに乗ると「Eエレベーターアタック!」に進みます。
初期状態では動力が入っておらず、「実験棟」から予備バッテリーを持ってくる必要があります。

予備バッテリーを1つしか入手しておらず、
それを「完成品置き場」のグレートナイトに渡していた場合、
グレートナイトがエレベーターを充電してくれます。
グレートナイトの【ペット特技】はすべて使用できなくなりますが、
シナリオが終了すると復活します。



Eエレベーターアタック!

※描写
エレベーターに電力が行き渡り、天井が開く。
吹き抜けになった上空からはエレベーターが降りてくる。
君たちの乗り込んだエレベーターはゆっくりと上へ上へと進み、
それと同時に周囲のホロモニターにいくつかの映像が流れ始めた・・・


・第1の映像
金髪に青いドレスの少女が、機械の王冠を身に着けたギアと対話している映像。
「おはよう、第六魔将バロール。私が貴方の生みの親よ。
 早速だけどあなたにはこの世界の管理の一部を任せたいの」

「お待ちしていました、創造主。貴女のことはよくご存じですよ。
 メタトロンの記憶の一部が私にも残っているようですから・・・」


・第2の映像

恐ろしい仮面を身に着けた青年が、バロールと対話している映像。
「貴方が我々の新たな仲間ですね・・・くくっ、貴方も運のないことです。
 ・・・まあ、ゆっくりしてくださいよ。時間だけは有り余るほどありますから」

「わざわざ第二魔将殿にお声かけ頂けるとは恐縮ですが、
 私は運がないとは思っていませんよ。ここに居ながらでも知れることは多くあります故」


・第3の映像
淡い光を纏った少年が、バロールと対話している映像。
「・・・君は今まで僕たちにいなかったタイプの魔将だね。
 君は何を目的にしているのか、いずれは教えてくれるのかい?」

「はい、いずれは・・・その折には貴方のお力も必要になるでしょうから」

・第4の映像
歯車型のアクセサリがついたドレスを身に着けた少女が、バロールと対話している映像。
「君の話は面白いなバロール。久々にいい退屈しのぎになった。
 今度もまた聞かせてくれないか、その地球とやらの話を・・・」

「ええ、構いませんよ。遠い遠い未来には、いずれ貴女も・・・」

・第5の映像
アズマ風の人懐っこそうな青年が、バロールと対話している映像。
「雲を掴むような話ッスね・・・でも面白いッス!僕も協力するッスよ!!」
「そうお思いになるでしょうが既にあちらの世界では実現しているのです。
 私の前身であるメタトロンは、そのために作られたようですから」


そこまで映像が流れると、とたんにエレベーターが大きく揺れます。
そして正面の壁が開き、高さ数十メートルはあろうかという単眼の巨人が出現します。
巨人はエレベーターに掴みかかり、PC達を叩き潰そうとしています。

「コイツ・・・!バロールの奴、とんでもないのを放し飼いにしてくれたわね!」



星模様(外周部分)・・・通行不可
それ以外・・・通常のヘクス


・配置エネミー
『激昂の巨神』プロトアイン(CL80ネームド)・・・J1に配置
プロトアイン右腕・・・A6に配置
プロトアイン左腕・・・S6に配置
スカイゴーレム(CL27)・・・コントロールルームでゴーレムを停止させていない場合のみ増援で登場
2R目・・・B14に配置 3R目・・・J18に配置 4R目・・・R14に配置

※スカイゴーレムの〔HP〕は変動なし 致傷力は適用
CL合計値89以下・・・エネミーの致傷力−20 プロトアイン本体の〔HP〕−300 部位の〔HP〕−50(復活時も)
CL合計値90〜99・・・エネミーの致傷力−10 プロトアイン
本体の〔HP〕−200
CL合計値100〜120・・・データ通り
CL合計値121以上・・・本体の〔HP〕+300


プロトアイン本体を倒すと戦闘は終了します。
「Gエピローグ」に進んでください。




Fエネミーデータ

名称:イーターバグ

CL:30  分類:魔獣
体力:16  敏捷:15  感覚:14  知力:8  意志:11
HP:170  FP:54  命中:21
ドッジ:16  パリイ:不可  シールド:不可
移動:10  先制:14  抵抗:13
防護:打撃15/斬撃20/刺突25/火炎20/冷気5/電撃35
攻撃:イーターバグの牙(格闘)・・・3D+38(斬) 射程1(近接)

・特技
常時【アーマーイーター】:物理攻撃が命中した対象はシナリオ終了まで防護点−5 効果は累積する
常時【バグズワクチン】:「☆バッドステータス」を受けても「ターン開始」時に解除される
   解除した場合20点の防護点無視ダメージを受ける
支援【ステルスモード】:次のターンまで〔回避〕に+3のボーナス CT:戦闘終了
行動【エレメンタルヒット4】:FP4 命中21 3D+78(斬雷) 射程1(近接)
行動【超放電】:FP10 3D+50(雷) 射程10 射程内の対象全員攻撃
   〔抵抗−4〕成功でダメージ−30 〔HP〕100以下で使用

解説:いつしかギアフォレス各地に住み着いた、電撃を纏った巨大虫型魔獣。
硬い外骨格と鋭い牙をもつ、巨大な虫といった外見をしている。
ひどい悪食で、生物も無生物も区別なく食らいまくるが、特にスクラップが好物。
戦闘中以外は透明になる能力をもち、極めて発見されにくい。
回避率と防護点が総じて高めだが、冷気による攻撃に弱い。

レア:イーターバグカッター(ナイフ)



名称:スカイゴーレム

CL:27  分類:ギア
体力:15  敏捷:13  感覚:13  知力:9  意志:14
HP:152  FP:48  命中:20
ドッジ:13  パリイ:不可  シールド:15
移動:8  先制:13  抵抗:16
防護:打撃10/斬撃15/刺突20/火炎15/冷気15/電撃5
攻撃:ミスリルアーム(格闘)・・・3D+35(打) 射程1(近接)
攻撃:アームガン(銃)・・・3D+35(打刺) 射程20(射撃) 通常攻撃のみ

・特技
常時【完全飛行移動】:「移動妨害」を受けずBS「☆転倒」から行動を消費せず復帰
   飛行していないキャラクターから射程10未満の攻撃を受けない
常時【精神防御】:幻覚を見せたり精神に異常を与える【特技】の効果を受けない
支援【マルチロックオン2】:FP8 続く行動ターンで射撃攻撃の〔命中〕+2
   単体への射撃攻撃を3体に使用する CT:戦闘終了
行動【電磁ネット】:FP8 命中20 3D+45(打雷) 射程10(射撃)
   命中すると〔抵抗−4〕判定 失敗すると1ターン「☆麻痺」 CT:1ターン
行動【スカイレールガン】:FP8 命中26 3D+65(打刺雷) 射程20(射撃) CT:1ターン

解説:エレベーターで襲い掛かる高機動型ゴーレム。
【マルチロックオン】から行動を制限する【電磁ネット】や、
威力と命中率の高い【スカイレールガン】を使用する難敵。
常に空中から距離をとって戦うため、射程の短い武器では手も足も出ないだろう。

レア:スカイギアパーツ(装飾品)



名称:『激昂の巨神』プロトアイン(BOSS)

解説:第六魔将バロールが作り出したギア製巨神のプロトタイプ。
出力は高いがまったく制御がきかない失敗作のため長らく封印されていたが、
「奇跡の工房」へのエレベーターが起動したことによりエネルギーが供給され目覚めた。
このエネミーはA6とS6の間の外周部分のみ移動可能。

CL:80  分類:ネームド/ギア
体力:30  敏捷:15  感覚:12  知力:12  意志:20
HP:1360  FP:480  命中:25
ドッジ:不可  パリイ:不可  シールド:22(2回)
移動:10  先制:12  抵抗:20
防護:打撃20/斬撃25/刺突30/火炎30/冷気30/電撃10
攻撃:巨神パンチ(格闘)・・・3D+110(打斬) 射程10(近接)

・特技
常時【ネームドエネミー】:HP0以外で気絶せずBSをターン開始時に打ち消す 打ち消し時CL分HP消費
常時【大型モンスター】:ヘクスを強制移動させる効果や移動制限を受けない
常時【追加攻撃0】:〔先制〕の値が0として追加で通常攻撃を行う
常時【射出収納装置】:【パイルバンカー】を「射程:20」「CT:1ターン」に変更
支援【エレベーターを揺らす】:戦場の対象全員に「☆転倒」を与え本体方向に3ヘクス引き寄せる
   [敏捷−4]成功で無効  CT:1ターン
支援【超強力バリアー】:FP10 次ターンまで本体へのダメージを50点軽減する CT:1ターン

行動【パイルバンカー3】:FP6 命中31 3D+130(打刺) 射程20(射撃) CT:1ターン
行動【怒りの叩き潰し】:FP15 命中35 3D+100(打斬) 射程10(近接) 「パリイ」「シールド」は30点軽減のみ
   指定した対象から5ヘクス以内全員攻撃 CT:1ターン 〔HP〕1000以下で使用

行動【マイクロミサイル乱射】:FP25 3D+80(打火) 射程100(射撃)
   射程内の対象全員攻撃 「ドッジ−6」成功でダメージ−20 CT:1ターン 〔HP〕500以下で使用
行動後【緊急修復】:部位「プロトアイン右腕」「プロトアイン左腕」を〔HP〕150で復活
   この2つの部位が両方破壊されている場合のみ使用 CT:1ターン

☆行動パターン
1:支援ターンは可能な限り【エレベーターを揺らす】【超強力バリアー】を使用する。
  【エレベーターを揺らす】ではPCを上方向に3ヘクス引き寄せる。
2:行動ターンは可能な限り【パイルバンカー】を使用する。CT中は通常攻撃を行う。
3:〔HP〕が1500以下になると可能な限り【怒りの叩き潰し】を使用する。
  通常は最も多くのPCを巻き込めるように攻撃する。
4:〔HP〕が1000以下になると可能な限り【マイクロミサイル乱射】を使用する。


部位:プロトアイン右腕
HP:300
防護:打撃20/斬撃25/刺突30/火炎30/冷気30/電撃10
攻撃:なし
破壊:「シールド」−1回 【怒りの叩き潰し】使用不可 両腕破壊で【エレベーターを揺らす】使用不可
解説:プロトアインの強靭な右腕。車輪状の手のひらを叩き付け敵を切り裂く。
この部位は本体とは別のヘクス(A6)に配置される。


部位:プロトアイン左腕
HP:300
防護:打撃20/斬撃25/刺突30/火炎30/冷気30/電撃10
攻撃:なし
破壊:「シールド」−1回 【超強力バリアー】使用不可 両腕破壊で【エレベーターを揺らす】使用不可
解説:封印の手錠によって封じられた両腕。本体への攻撃を巧みにガードする。
この部位は本体とは別のヘクス(S6)に配置される。


部位:プロトアインの眼
HP:500
防護:打撃15/斬撃15/刺突0/火炎15/冷気15/電撃15
攻撃:広域重力光線・・・3D+20(刺/防護無視) 射程100 射程内の対象全員攻撃
    〔抵抗−4〕成功で完全に無効化
破壊:本体に500点の防護点無視ダメージ 本体の〔命中〕−10
    ただし本体が行う攻撃のあらゆる致傷力+30
解説:プロトアインの瞳。弱点であり、破壊すると本体に大きなダメージを与えることができるが、
破壊すると怒り狂い、攻撃力がアップするデメリットもある。
プロトアインの眼は高い位置にあるため、距離に「20−(ラウンド数×5)」を追加する。
そのため、最初は射程の短い武器では攻撃できない。(4R目からは本体同様)



通常:16000GP
レア1:プロトアイン装甲(鎧)
レア2:ミニプロトアイン(ペット)




F’アイテムデータ

シナリオ終了後自由に購入可能。

名称:スカイギアパーツ(装飾)
価格:27000GP
解説:背中に装着するジェット装置。【フライト】が使用可能。
「飛行状態」の〔移動〕と〔回避〕に+2のボーナスを得る。

名称:イーターバグカッター(ナイフ)
攻撃:5  体力:5  属性:斬撃/刺突  射程:1(近接)/10(投擲)
命中:2  パリイ:0  価格:30000GP
解説:イーターバグの牙でできた、切れ味鋭いナイフ。
この武器の攻撃が命中するごとに対象のあらゆる防護点を3点減少させる。

名称:グレートナイト(ペット)
価格:40000GP
解説:鈍く銀色に光る甲冑のようなボディと身の丈より大きな盾をもつ護衛用ゴーレム。
    性能的にはホワイトナイト強化版といっていいが、
    【詩人の交渉術】が参照されなくなっている点に注意。
効果:あらゆる防護点に+5のボーナスを得る。
参照:【魔道工学のススメ】
ペット特技1:【シールド+4】 ペット特技2:【ビッグシールド】 ペット特技3:【防護点+5】

常時【シールド+4】:「シールド」に+4のボーナスを得る
被ダメ【ビッグシールド】:対象が受けたダメージを「3D+40」軽減 射程10 CT:シナリオ終了
常時【防護点+5】:あらゆる防護点に+5のボーナスを得る

名称:プロトアイン装甲(鎧)
打撃:25  斬撃:30  刺突:10
火炎:30  冷気:30  電撃:15
体力:15  価格:80000GP
解説:胸部に目玉がついたギア装甲。目玉部分は弱点だが、
攻撃されると鎧の怒りが真の力を引き出す。「刺突」属性の攻撃でダメージを受けると
あらゆる致傷力に+5のボーナスを得る。この効果は累積しない。

名称:ミニプロトアイン(ペット)
価格:160000GP
解説:プロトアイン内部のコア。コアだけでも自立して動く。
    ミニといっても1mはあり、攻防に優れた能力を持つ。
    右手と左手は戦闘時には切り離して巨大化する。
効果:あらゆる攻撃のダメージを5点軽減する。
参照:【魔道工学のススメ】
ペット特技1:【守護の左手】 ペット特技2:【怒りの右手】 ペット特技3:【マイクロミサイル】

支援【守護の左手】:次のターンまで使用者が受けるダメージを20点軽減 CT:シナリオ終了
行動後【怒りの右手】:3D+100の「打撃」属性ダメージ 自動命中 射程5(近接) CT:シナリオ終了
行動後【マイクロミサイル】:射程内の全員に3D+60の「打撃」「火炎」属性ダメージ
   自動命中 射程10(射撃) CT:シナリオ終了

 

Gバロールとの会話〜エピローグ

※描写
エレベーターがゆっくりと動きを止めると、
どこまで続くともわからない広大な部屋に到着する。
部屋は薄暗いが無数のホロモニターが演算を行っており、
そのぼんやりとした光が中心の人影を照らし出していた。


「エクスプローラーの皆さん、よくいらっしゃいました。
 私が第六魔将バロールです。何やら私に聞きたいことがあるようですな。
 私も忙しいところですので、手短にお話するとしましょうか・・・」


バロールはいくつかPCの質問に答えてくれます。
特に何から聞きたいか指定がなければ以下の順番で話してくれます。


☆この世界について
「フィルトウィズはとある目的をもって創られた世界です。
 世界を創った原初の創造主の名はノア。
 彼女は彼女の元いた世界を悲観し、新たな世界を創造しようとしました。
 彼女が考えた理想の世界がこのフィルトウィズ。
 人間同士が争わずにすみ、長い長い時を生きることができる世界です」


☆魔族について
「魔族という敵役は理想の世界のためには必要不可欠でした。
 打ち倒すべき強大な敵がいることで人々は結束し合う。
 それによって人間同士の争いを極度に減らすことができる。
 それこそが我々魔族の存在意義であり使命でした」

☆ノアについて
「創造主ノアは彼女の元いた世界からフィルトウィズへの移住を進めるため、
 とある恐ろしい計画を思いつきました。それが『箱舟計画』です。
 彼女は参謀である第六神将メタトロンと共に、遺伝子シミュレーター『セフィロト』を創り出し、
 現実世界で人類の天敵となる生き物たちを創り出すことに成功しました。
 彼らを用いて人類を滅ぼすことで、フィルトウィズへの移住を進めるのが『箱舟計画』でした」


☆セフィロトついて
「『セフィロト』は「浸食者」を創り出すための遺伝子シミュレーターで、
 フィルトウィズの前身となった仮想世界でもあります。
 創造主ノアはこの世界で十分なテストを行ったのちにフィルトウィズを創り出しました。
 おそらく『浸食者』たちもこの世界がやってきているのでしょう。
 ・・・残念ながらその理由や対処法は現在も調査段階といったところですな」


☆盟約について
「『消失の日』以後、創造主ノアから我々魔将にかけた制約です。
 色々と条項はあるのですが、要約すると我々魔将が
 人間の領土内で力を振るうことを禁止するものです。
 これに反した魔将はその程度に応じたペナルティを受けることになります。
 創造主とて人間を完全に滅ぼしてしまうのは本意ではないということでしょうな」


☆新しき星について
「それはあなたの目で確かめると良いでしょう。
 ちょうど、そちらに『新しき星』の番人もいらっしゃるようですし・・・」

そこまで言うとバロールはアニーに目くばせをします。

「・・・そうね。それじゃあエクスプローラーたちに最後の試練を与えましょうか。
 私は魔将たちで取り決めたある目的のために動いていたの。
 1つは人間と魔族の橋渡し役になれる人間を探すこと。そしてもう1つは・・・」


アニーはふわりと舞い上がり、背中の翼は大きく広がり金色に輝きはじめます。

「この第七魔将ザバーニーヤを倒し、新しき星に至る者の選定よ。
 天体観測所の最深部、宇宙庭園の神殿で待っているわ。
 なおあなたたちが次の安息の日までに来なかった場合、
 この世界を救う意志はないとみなしてシュセンを消滅させるわ。
 その次の安息の日はナレッジ、その次の安息の日はシーリンク。
 ・・・そうならないよう、必ず来るのよ。フィルトウィズを救う勇者さん」

アニーはそう言うと黄金の光を残して消えてしまいます。

「ふむ・・・彼女はやると言ったら本当にやりますからな。
 シュセンが消滅すれば次の大侵攻で魔族の侵攻を止める手立てはない。
 世界はあなた方の手に委ねられたというわけですな・・・」


※時間がない場合は以下を説明する。
1:フィルトウィズは創造主「ノア」が作り出した世界。地球を滅ぼしたのも彼女の仕業。
2:この世界に起きつつある異変は異世界「セフィロト」からもたらされている。
3:次の「安息の日」までに「新しき星」へ至ること。達成できなければシュセンを消滅させる。



第六魔将バロールとアニー・・・
いや、第七魔将ザバーニーヤはとんでもないことを言い出した。

この世界は作り物?
セフィロトという世界の怪物が現実世界やフィルトウィズを滅ぼす?
新しき星に至ることができなければシュセンを消滅させる?

・・・どちらにせよ確かめなければならない。
「新しき星」には何が待っているのか。
ザバーニーヤの意図はなんなのか。
そして、この旅の終着点は・・・?

あなたは向かわなければならない。遥かなる新しき星へ。

*

あなたが飛行船でギアフォレスを発つのを見届けると、
バロールは再びフィルトウィズの各地を監視するための、無数のホロモニターに目をやった


「我々魔族もこのフィルトウィズを愛おしく思っています。
 例え憎まれ役であっても、この世界が我々の世界ですから。
 ・・・しかしです、 誰かを憎まなければ平和が維持できない世界を、
 理想の世界と言っていいものか。少なくとも私は認めたくありませんな」
 
バロールはフィルトウィズの各地をモニターから目を離さず呟く。

「本当の理想の世界とやらがどのようなものか私には皆目見当がつきませんが、
 それでもあなた方ならあるいはと、魔将は皆思っているのです。 
 我々の見た夢が『現実』になるよう祈っておりますよ。・・・ぐっどらっく、勇敢な探索者たち」

メインシナリオ6章「歯車の見た夢」 -完-




H清算とおまけ

お疲れ様でした。
シナリオを無事クリアした場合、PC全員のCLが1上昇します。

このシナリオには固定報酬がありませんが、
資材置き場の壊れた機械や、完成品置き場のグレートナイトが報酬となります。
また、バロールからアタッチメント割引券を1人10枚ずつ渡しても良いでしょう。
(実質的に1人5000GPが固定報酬ということになります)

「生憎すぐGPにできるものはございませんが、機械いじりは得意ですよ。
 ・・・なんでしたら肉体のほうもギア製に改造して差し上げましょうか?」



・付録(ダンジョンマップ文字なし)
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