メインシナリオ3章「我が愛しきグランシュタット」
シナリオ原案:marsh データ制作:marsh

推奨CL合計値:50〜80

※GM以外は「Bグランシュタット到着まで」以降を見ないほうがシナリオを楽しむことができるでしょう。
プレイヤーとして参加する場合はご注意下さい。

@導入 Aシナリオ概要 Bグランシュタット到着まで
Cグランシュタット城探索   ・3F  ・2F ・1F ・B1F
D対決! Eエネミーデータ Fエピローグ G清算 
H裏話



@導入

「あはっ、はやいはやーいっ!グレイヴディガーの奴、
 こんな楽しいオモチャを独り占めしてたなんて許せないわね!
 結局、アイツの慌てる顔が見れなかったのはちょっと心残りね」

グレイヴディガーから奪い取った「死者の箱舟」を全速力で飛ばして、アニーはいたくご機嫌だった。
あなたはその時の寿命が縮むような出来事を思い出し、げんなりしていたのだが。

「それじゃ早速この船でどこかに行くとして・・・うん、決めた!
 グランシュタットに行きましょ。あそこにはまだまだ強力な武具が残ってるはずだから、
 持っていけばあなたたちの無様な戦いも多少は見れたものになるでしょ。
 アタシもアタシでグランシュタットにちょっとした野暮用もあるしね」


しかしグランシュタットは、以前はフィルトウィズの中心地だったが現在は魔族の支配地域。
第三魔将ハイペリオンとその妻ロジエモールが支配しており、魔族の前線基地とも言われる。
正面から向かったのではさすがに返り討ちにあってしまうだろう。

「はあ・・・ちょっとは無い知恵を絞る努力をしたほうがいいわよ?
 夜にこの船を使ってグランシュタット城のバルコニーから忍び込めばいいわ。
 魔族だってまさか人間が『死者の箱舟』に乗って来るとは思ってないから
 城内の警備はそこまで厳重じゃないってワケ」


危険なことに変わりはないが、確かに正面突破よりはマトモそうな案だ。
それに、グランシュタット城の宝物庫に残された武具は、
今後激しくなる戦いに備えて是非ほしいところだ。
あなたはグランシュタットに向けて「死者の箱舟」の舵を取った。

「ちょっとちょっと、あんなところに人間が歩いてるわよ?どこの変人かしら?」

アニーが指差した方角には、確かに男が歩いていた。
だが、人間がカベノソトをたった一人で?
しかも、多くの魔獣が住むグランシュタット山岳地帯で。
少し常識では考えられないが、興味を惹かれるのは確かだった。

*

「へー、これは大層立派な船だねえ。・・・おっと悪い悪い、まずは名乗るのが礼儀だったね。
 僕のことは・・・そうだなあ、リッターとでも呼んでもらえるかな。まあただの旅人だよ」

リッターと名乗った壮年の男性は、ある目的のためにグランシュタットに向かっているのだと言う。
彼の身なりは正直綺麗だとは言い難かったが、その足運びや身のこなしからは、
彼がかなりの剣の達人であることをうかがい知ることができた。

「こう見えてもグランシュタットについては結構詳しいつもりだし、
 君たちが宝物庫を目指すというなら僕も同行して道案内ぐらいはさせてもらうよ。
 こんなに速い船に乗せてもらった恩返しもしたいところだしね」


実際のところ、グランシュタットの宝物庫がどこなのか全く見当もついていない状態だったのだ。
あなたは喜んで彼の提案を受け入れることにした。

「・・・ところで、アニーちゃん・・・だったかな?
 なんだか僕と君はどこかで出会っている気がするけど、僕の気のせいかな?」

「・・・さあ〜、気のせいじゃない?悪いけどいちいちおっさんの顔なんて覚えてないし」

アニーは大げさに両手を広げて「知りません」というジェスチャーをして見せた。
あなたはその仕草をあからさまに怪しいと思ったが、それを口に出しても面倒が増えるだけだと考えた。
幸いリッターもそれ以上追及しようという素振りがなかったため、
あなたは彼らの素性と目的を気にしながらも、グランシュタットへと向かうことにした。



Aシナリオ概要

このシナリオでは、グランシュタットの宝物庫に厳重に封印された
武器や防具を手に入れることが目的になります。

しかし、グランシュタットに向かうことを提案したアニーと、
その途中で出会った壮年の男性リッターには別の目的があります。
(もっとも、PCはそれを気にする必要はありませんが)

グランシュタット城内部は、魔将樹の根や蔓が絡み合い、
あちこちが崩落して通行が困難になっています。
探索させる時間がないと感じた場合、GMは探索を抽象的に進行させても良いでしょう。
もちろん時間がたっぷりあるなら、1つ1つ障害を越えていくのも構いません。

グランシュタットに残された記憶の欠片を集め、
「大侵攻」によって滅びたグランシュタットで、何が起きたのかを解き明かしましょう。




Bグランシュタット到着まで

グランシュタットまでの道のりは、本来であれば険しい山道を超えていく必要があります。
しかし、PCは「死者の箱舟」でひとっ飛びで行くことができるので、
特に苦労することはありません。(「高所恐怖症」でもなければ)
「@導入」のように、途中で「リッター」と名乗る壮年の男性が
歩いて向かっているのを見かけますが、無視して先に進むことも可能です。
しかし、グランシュタット城の地図が手に入らなくなってしまうため難易度は上昇します。
マップを逐一作成していてはマスタリングの手間も増えますので、
PCが無視しようとした場合、アニーから誘導して声をかけても良いでしょう。
それでも無視する場合、グランシュタット城2Fに城の見取り図があることにすれば良いでしょう。

「ちょっと待って!アイツを連れて行きましょ!きっとグランシュタットについて詳しいはずよ♪
 ・・・え、どうしてそう思うのかって?勘よ勘、でもアタシの勘ってよくあたるのよ?」


昼に侵入しては第3師団の魔族から丸見えなので、夜に侵入することになります。
第3師団の魔族は夜目が利く者が少ないため、隠れて侵入することも可能です。




Cグランシュタット城探索

※纏わりつく残留思念
グランシュタット城では、メントールの残留思念が訪れるものを蝕みます。
「メントールの呪い」と表記があるイベントを見るたびに
残留思念が纏わりつき、呪いの数値分全ての判定に−1のペナルティを受けます。
また、「魔将樹の蔦」のヘクスを無理やり通り抜ける際のダメージも呪いの数値分増加します。

この呪いは下記の3つのイベントを見ることで祓うことができ、
これらのイベントを見た後であれば「メントールの呪い」は受けません。
@ユースティアが食堂でリーベルタースのために料理を学ぶイベント
Aユースティアが玉座の間でリーベルタースのために命をかける決意をするイベント
Bメントールが牢屋で親子を逃がすイベント
1つ見ただけでも、1段階呪いが軽くなることにしても良いでしょう。

*

「やれやれ、想像以上にひどいことになっているね・・・
 君たちの探してる宝物庫は地下にあるんだが、
 肝心の宝物庫のカギは先の『大侵攻』の時に行方がわからなくなってるんだ。
 ま、手分けして探してみようか。僕は君たちとは別行動であたってみるよ。
 ちょっと下手な地図で申し訳ないがこれがグランシュタット城の見取り図だよ」


「アタシも別行動させてもらおうかしら、ちょっと野暮用もあるし。
 ま、あなたたちが宝物庫を漁り終えたころには合流するわ。
 用事が済んだらグランシュタット城3階の空中庭園で待っていてちょうだい」

グランシュタット城への侵入は、飛行船を使えば比較的容易です。
グランシュタット上空まで城の裏側から向かい、降下を行えば良いでしょう。

とはいえ、飛行能力のないキャラクターであれば、
船からロープを降ろすなどの工夫が必要でしょう。
うまく降りられるか[敏捷−3]判定をさせても構いません。(【野伏の歩み】が有効です)
失敗すると3D+20の防護点無視ダメージといったところです。

リッターがいればグランシュタット城の見取り図を渡してくれます。
以下のマップ概要を見せても構いませんが
その部屋に何があるかどうかまではわかりません。
1マスはおよそ3mとします。


茶色い壁:魔法の結界が施された壁(破壊不可能オブジェクト)です。
この壁で囲まれたエリアには正規の手段以外で侵入不可能です。
逆にこのエリア以外はケイヴウォーカーの【ドリルクラッシャー】で破壊も可能です。

緑色の障害物:グランシュタット全域を覆う、魔将樹の蔓です。
【枝の障壁】を持つフラウがいれば、使用することでどかすことができます。
無理やり通り抜けようとするか攻撃を仕掛けようとすると魔将樹の蔓(CL15)×2と戦闘になります。
PCのCL合計値が70以上の場合は3体です。
2回目以降は戦闘を行わず、PC全員の〔HP〕に3Dのダメージを受けることで通行可能になります。

瓦礫:グランシュタット城が崩落して、大量の瓦礫により通行不可能になっているマスです。
途中で手に入る「すりぬけの指輪」があれば通過可能です。
瓦礫をとかして進む場合、1マスにつき全員が〔FP〕を2点消費することで通行可能になります。
ただし、[体力]が13以上のキャラクターがいない場合は〔FP〕の消費が3点になります。




・グランシュタット城3Fマップ




・下り階段(C8、M8)
2F玉座前廊下に出る階段です。


・空中庭園(7〜13付近)
PCはこの空中庭園を探索のスタート地点にすることになります。
四季折々の花が咲き乱れた空中庭園も今は見る影もありません。
PCが足を踏み入れると、炎上する庭園で剣を構える女性2人の幻影が見えます。
片方は白い鎧に身を纏い、細身剣を構えています。
もう片方は七色の薔薇の咲き乱れるドレスを身に纏い、両手剣を構えています。
しかしながら、女性騎士の白い鎧はあちこちが傷つき、
女性騎士自身も体のあちこちにケガをしているのがわかります。

「貴女が名高き『魔将樹の剣姫』ロジエモールですね。剣を交えられることを光栄に思います。
 この私、グランシュタット王妃ユースティアがお相手致しましょう!」


「・・・リーベルタースの姿が見えないわね、彼を逃がして貴女が代わりに戦うというのかしら?
 いいわ、その覚悟に免じて1人で相手をしてあげる。私から一本とればリーベルタースを見逃してもいいわ」


2人が剣を交える瞬間、幻影は消えてしまいます。



・王族の私室(2〜6付近)
王と王妃の部屋です。「王族の私室のカギ」がなければ入ることはできません。
(カギは宝物庫にいるユースティアの幻影から受け取ることができます。
 つまり、この部屋に来ることができるのはシナリオ最終盤となります)
扉を開けるとグランシュタット王リーベルタースと、王妃ユースティアの幻影が現れます。

「リーベルタース様、本当に国をお捨てになるのですか?
 ワンダラーなき今、フィルトウィズには王のお力が必要なのです」


「ワンダラーがいないからこそ、僕1人で戦っていてはダメなんだ。
 全ての人が魔族に対抗するための『ギルド』のメンバーにして、
 彼らの生んだ資源を全て魔族への戦いに向けなくてはならない」

「わかりました・・・リーベルタース様にその覚悟がおありなら、
 このユースティア、その理想にどこまでも付いてまいります」


ここで初めてリーベルタースが振り向き、その姿を見ることができます。
リーベルタースが、リッターの若き日の姿だということにPCは気付くでしょう。

室内の調度品は、持ちかえって売却すれば10000GPの価値があります。
また、H3の宝箱には「ういっしゅすたー」が1個入っており、
中の紙切れにはメッセージが書かれています。

「第三魔将ユグドラシルは命を創造する役目を与えられた。
 魔族はもちろん、人間さえも彼に創造された。
 ・・・だがそれにも例外はある。『外来者』の存在だ」

「真実を知る者」でなければ『外来者』とは何を意味するのかわからないでしょう。
「ワンダラー」のことを指すのではないかという想像はつくと思われますが。




・グランシュタット城2Fマップ



・昇り階段(F8、P8)
3F空中庭園に出る階段です。


・下り階段(C8、M8)
1F廊下に出る階段です。


・広い廊下(J2〜L6)
階段を昇った先に出る広い廊下。会議室、食堂、玉座前廊下に続きます。


・落とし穴(F9)
正確には落とし穴ではなく、損壊の激しい床です。
無警戒で通ると1FのF9に落ちてしまいます。
(ちょうど室内庭園の池のあたりになっています)。
[敏捷−6]判定に失敗すると溺れて〔FP〕に3Dのダメージを受けます。
詳しくは1F「室内庭園」の項目を参照してください。



・会議室(B2〜H6)
国の重要な方針を決めるのに使われた会議室です。
王妃ユースティアの幻影と、それに詰め寄る貴族の幻影が見えます。

「・・・これは決定事項です。グランシュタット王国は次の安息の日をもって解体されます。
 従いまして、貴族制度もそれに伴い解体されます。今後の処遇につきましては・・・」


「横暴だ!そもそも、そのような重大な決定を行う会議に、なぜ国王は姿を見せんのだ!」

「国王はお忙しいのです。利権を貪るためだけに生きる貴方達とは違いますから」

「な・・・そ、それはあんまりでございましょうユースティア殿!私はこの国と人間の未来を思えばこそ・・・」



・軍師室(B8〜D9)  メントールの呪い+2
グランシュタットの軍師であった『聖剣匠』メントールの私室です。
部屋に入ると先ほどの貴族と眼鏡の女性が会話をしています。
入口は魔将樹の蔓に覆われていますが、
屋上からロープを伝って窓から侵入することも可能です。
もちろん、飛行能力を持つキャラクターなら簡単に侵入可能です。

「いいのかメントール?ほ、本当にあの女を・・・」

「ええ、あの人が政治に口を出すようになってからグランシュタットは乱れるばかり。
 私と共に戦いましょう、グランシュタットとフィルトウィズの未来のため」


室内を探索すれば眼鏡の女性(メントール)が書いたと思しき日記があります。
日記にはカギがかかっていますが、[感覚−6]判定で開けることができます。
(【盗賊の極意】【ロックスミス】が有効)
日記の文字は後半部分になるにつれ文字が乱雑になっています。

「ユースティアの剣技が認められ、騎士団長に取り立てられた。私も幼馴染として鼻が高い。
 私は知で、ユースティアは剣で王を助けるという幼き日の誓いを今果たせるのだ」

「リーベルタース王は私の力を必要としてくださった。心が躍る。
 私の努力が王に認められたことも嬉しかったが、それ以上に私は・・・」

「王が近々婚約を発表するとのこと。・・・いや、仕方のないことだ。
 平民あがりの私が大それた想いを抱いたのが間違っていたのだ。諦めよう、諦めよう・・・」

「・・・どうして、どうして私じゃなくてあの子なの?
 私のほうがずっと長く、ずっと真剣にグランシュタットを支えてきた。
 なぜ?どうして?ユースティアが憎い。リーベルタースが憎い」


日記の最初のページには、手をつなぐ2人の少女を描いた、小さな肖像画があります。
メントールとユースティアの面影があり、2人の幼い日の姿だということがわかるでしょう。
日記を最後まで読めばメントールと戦闘時に自動的にデータが判明するようになります。
また、メントールと戦いになった際に日記の話を出せば、
【ファーストムーブ】の効果を封じることができます。



・食堂(N2〜T6)
大きな長方形のテーブルが並んだダイニング。
元気よくユースティアがご飯を食べている幻影が見えます。
探索しても特に何も見つかりません。

「うむ、やはり昼食はグランシュタット定食の大盛りに限ります。・・・すいません、おかわり」



・厨房(R8〜T9)  呪い解除イベント@
食堂の厨房。コックに料理を教わるユースティアの姿を見ることができます。
厨房は比較的新鮮な食材が揃っており、最近使われた形跡があるようです。
この部屋も、屋上からロープを使って窓から侵入可能です。

「なかなか筋がいいですよ王妃様。しかしなんでまた自分で料理を?」

「それは・・・もしグランシュタットが無くなってしまっても、
 一人の女性として王を支えられるようになりたいのです。
 そのためには剣の腕だけではお役にたてないと感じましたので」


食堂には作り置きしてある「ジャンボ干し肉グランシュタット風」が置いてあります。
比較的最近作られたものであり、きちんと食べられるものです。
これを食べれば全員の〔HP〕〔FP〕を10点ずつ回復することができます。



・資料室(B11〜G14)  メントールの呪い+1
様々な本が集められた部屋。眼鏡の女性(メントール)が調べものをしている幻影が見える。

「なるほど・・・ちょっと大がかりな儀式が必要になるけど不可能ではなさそうね。
 ごめんなさい、でも・・・あなたが悪いのよリーベルタース・・・」


机の上に残された本の内容は以下の通り。

☆特殊魔将召喚陣
この召喚陣を使用することで魔将の召喚が可能。
通常の召喚陣と異なり、魔将ゴーストではなく魔将本人の呼び出しが可能。
使用者は人間を「裏切り」、魔将に生涯をかけ奉仕することを条件に
魔将に何かひとつ要求を行うことができる。
ただし、魔将の能力を超える願いは聞き届けられない。



・玉座の間(J11〜M14)   呪い解除イベントA
王と王妃に謁見を行うための部屋です。
ユースティアが思い悩む幻影を見ることができます。

「貴族たちに不穏な空気を感じる、リーベルタース様にお伝えするべきかどうか・・・
 いや、あの方は今重大な決断を迫られている、心労をかけるわけにはいかない。
 いざとなれば私がこの身を盾としてリーベルタース様を守らなければ。そう、この命に代えても・・・」




・大浴場(Q11〜T14)
城に住む人間が使用する大浴場。Q〜Pが男性、S〜Tが女性用です。
男性側では貴族たちの密談を、女性側ではユースティアの入浴シーンを見ることができます(笑)

「そうです・・・次の大侵攻では城の内部から魔族が現れます・・・
 その際の混乱に乗じて王と王妃を・・・次の王には軍師の『聖剣匠』メントール殿が・・・」
「なるほど、そりゃあいい・・・メントール殿ならリーベルタース様より話がわかる。
 なんなら手籠めにして我々の言うことを聞かせてやっても・・・くひひ!」




・グランシュタット城1Fマップ

※障害物ではない緑色の床は中庭(室内庭園)です。




・昇り階段(FK2)
2F広場に出る階段です。


・下り階段(B14、T14)
B1F通路に出る階段です。B14側の階段は瓦礫で埋まっています。


・城門(K14)
城門は閉ざされています。中から開けることもできますが、
外にいる魔族に気付かれる可能性を考えると開ける必要はないでしょう。

ここでは、王を見送るユースティアの幻影を見ることができます。

「リーベルタース様・・・あなたの見たフィルトウィズの未来、共に見れないことをお許しください。
 ですが、あなたはフィルトウィズを変えることができる方。その背中を守ることを誇りに思います!
 受けよ魔族ども!我が奥義【ホワイトブロッサム】!!」

ユースティアはG14の階段方向へと向き直り、
ブラックナイトの軍勢へと単身切り込んでいきます。
彼女の奥義は廊下を一直線に貫き、多数のブラックナイトを屠っていきます。



・来賓用客室(J5.L5のドアから入る部屋)
J5の部屋で、人懐っこそうなアズマ風の男性と話をしている王の幻影が見えます。
大きな荷物を床に置いており、不思議な品物が色々と顔を出しています。
王は後姿のため顔を見ることはできません。
L5のドアから入る部屋には特に何もありません。

「なるほど・・・旅の行商人というわけか。魔族に怯える我が民も喜ぶことだろう」

「ええ、そうさせていただくことにしますよ。ところで・・・王に畏れながら申し上げます。
 知っての通り『消失の日』によってワンダラー全てが帰らぬ人となって早くも2年。
 人々の足並みそろわぬグランシュタットは、次の『大侵攻』で陥落することでありましょう。」


「そうならないよう努力はさせていただく・・・と言いたいが君の言うとおり。
 今こそ人間同士手をとらないといけないのだが、
 この国の状況はとても一枚岩とは言えない。僕の力不足だね」


「おやおやご謙遜を。王があなたでなければ前回の大侵攻で滅んでいたでしょう。
 ・・・ともあれ、私としても人間がこのまま滅びるのを指を咥えて見るのは忍びない。
 利権を貪るものを排除し、全ての民が剣をとり魔族と戦う仕組みを作らなければなりません」


しばらく小さな声で会話をしているが、それは聞き取ることができない。

「・・・なるほど、君の言うとおりにやってみることにしよう。
 いつかまた君に会いたいものだな、最後に名を聞いていいかい?」


「今は『ゲンナイ』と名乗っておきましょう。
 いずれまたお会いできると思いますよ、リーベルタース王。
 その時は・・・うまいメシでも奢ってもらいましょうか、よろしくッスww」




・衛兵詰所(J8、L8のドアから入る部屋)
貴族たちと衛兵が密談をしている幻影を見ることができます。

「良いか・・・お前達はメントール殿に従い『大侵攻』当日に王妃を陥れるのだ。
 うまくいけば報酬は思いのままであるぞ、ただし裏切ればお前の家族は・・・」


「・・・はい、私も腹をくくりましょう。ですが、その前に妻と娘を牢から・・・」

「ええいわかっておるわ!お前がちゃんと役目をこなせば出してやる!」


・室内庭園(E5〜Q11の緑の床)
美しかったであろう室内庭園もかなり荒れ果てています。
E9〜F11の池は室内に水路を通して作ったもので、かなりの速度で水が流れています。
【敏捷−6】判定に成功すれば池をわたることも可能ですが、
これに失敗すると溺れてしまい、〔FP〕に3Dのダメージを受けます。(【野伏の歩み】が有効)
翼で飛行をする種族はらくらく越えることができます。
落ちたのがグラントなどの泳げない種族であれば、
すぐに助け出さないと〔FP〕が0になって気絶してしまいます。

F5の宝箱には「すり抜けの指輪」(装飾品)が入っています。
着用者とパーティーは〔FP〕を5点消費することで、瓦礫をすり抜けて移動可能になります。
これでB1Fの「儀式の間」への道が楽になることでしょう。
このシナリオが終了しても使用可能で、わずかでも隙間がある障害物であれば
すり抜けることが可能になりますが、合計4回使用すると魔力を失ってしまいます。


・騎士の歩く廊下(G2→S2→S13)
魔将樹の騎士(CL40)が往復しています。G2→S2→S13と進み、帰りはその逆です。
いきなり戦闘をさせずに、[感覚−6]判定に誰かが成功すれば、
うまく隠れたりしてやり過ごせたことにしても良いでしょう。
プレイヤーがその他の解決策で無力化する場合、提案を受け入れても構いません。
もちろん、戦闘をして倒してしまっても構わないでしょう。
PCのCL合計値が70以上の場合、2体で巡回しています。



・グランシュタット城1Fマップ



・昇り階段(B13、T13)
1F通路に出る階段です。


・牢屋(D2〜R5)  呪い解除イベントB
魔法を封じる力のある頑丈な鉄格子と壁に囲まれた牢屋です。
一番奥の牢屋では、貴族と2人の親子らしき女性の幻影を見ることができます。
また、この奥の部屋のカギは開け放たれています。

「うう・・・ひっく・・・パパに会わせて・・・
 お城のものを盗んだのは謝ります・・・だから・・・」


「残念だがそれはできん相談だなあ、なぜなら・・・
 お前の父親は大侵攻の混乱に乗じて王妃を殺害したため処刑されたからなあ!
 心配するな、お前達は俺が飽きるまでここで慰み者にしてやるよ、
 くひゃひゃひゃ!!・・・ひゃごぶっ!?メ、メントール、貴様・・・うらぎり・・・もの」


貴族の喉をメントールの剣が貫き、彼女は牢屋のカギを開けます。

「ご苦労でした、あなたの役目はここまでです。
 ・・・あなたたちはもう行きなさい、ここからずっと東にいけばシュセンという町があります。
 女の足では辛いでしょうけど、ここはすぐに魔族の支配地域になるわ。お行きなさい」



・看守の部屋(G7〜R10)

看守の部屋ですが、あまり使われることはなかったようです。
棚にいくつかポーションが並んでおり、[知力]判定に成功すれば入手できます。

成功度3・・・「高級HPポーション」人数分
成功度6・・・「高級HPポーション」「高級FPポーション」人数分


・儀式の間(D7〜G10)
大がかりな魔法の儀式を行うための広間です。
「Dメントールとの対決」を参照してください。


・宝物庫(J7〜M10)
目的地の宝物庫です。入口にはカギがかかっています。
「Dメントールとの対決」を参照してください。



Dメントールとの対決


・メントールとの対決(儀式の間)

儀式の間に足を踏み入れると、神々しい雰囲気を纏ったフラウと話す、
眼鏡の女性(メントール)の幻影が見えます。

「・・・あなたが魔将?そうは見えないけど・・・まあいいわ、我が名はメントール!
 我が魂を魔将に捧げる対価として、このグランシュタットを滅ぼしたまえ!」


「・・・わざわざ人間を裏切ってまでの願いが『自分の生まれた国を滅ぼせ』とはね。
 きみたちをここまで愚かに作ってしまったとは、ぼくも愚かだったということか。
 ・・・まあいい、君の願いを聞き届けよう、明日の大侵攻を待つといい。
 今すぐに滅ぼしてもいいんだが、それは『盟約』に反するからできないのでね」



フラウの幻影が消えると、後にはメントールのみが残されます。
このメントールは幻影ではなく本物のメントールで、
今は廃墟となったグランシュタットの主となっています。

「こんなところまでエクスプローラー風情がやってくるとは・・・あの方の言った通りね。
 ここまであなたたちが見た幻影は、この城が陥落する寸前の様々な人の思い・・・
 特にユースティアの思いが残留思念となって滞留しているものよ。
 まったく、死んでからも私を苦しめてくれるなんてひどい子だわ。
 ええ、宝物庫のカギは持っているわ。好きにもっていくといい、と言いたいけど・・・
 第三魔将様から預かったこのグランシュタットと、
 私の記憶を土足で踏みにじった報いは受けてもらいましょうか!」


メントールとは必ず戦闘になってしまいます。
説得には応じませんが、メントールの私室の小さな肖像画を発見していれば、
それを話題に出すことで、一瞬の動揺を誘うこともできます。
(その場合メントールは【ファーストムーブ】の効果を失います)

PCの人数によって以下のように難易度を調整します。
それでもなおメントールのデータがPCに対して強すぎると感じた場合、
致傷力や〔HP〕を下げても良いでしょう。


CL合計値59以下・・・メントールの【鬼神策謀】を削除 メントールの魔剣の【セイクリッドペイン】を削除
              初期配置の魔剣はGMが任意で選んだ2本
CL合計値60〜69・・・初期配置の魔剣はGMが任意で選んだ2本
CL合計値70〜79・・・初期配置の魔剣はGMが任意で選んだ3本
CL合計値80以上・・・初期配置の魔剣はGMが任意で選んだ4本





戦闘に勝ってもメントールは死亡するわけではありません。
その場に崩れ落ち、彼女の懐からは宝物庫のカギが零れ落ちます。
また、戦いが終わるとリッターが駆けつけます。

「そ、そんなまさか・・・あなたは・・・?」
「おっと、あとは僕に任せてくれないかな。君はそのカギを使って宝物庫へ向かうといい。
 なーに大丈夫、いくら僕でも戦意を失っている相手に殺されるほど間抜けじゃないさ」



・宝物庫/ユースティアとの邂逅

宝物庫の中にはグランシュタットとリーベルタース王を思うあまり、
電子の亡霊となったユースティアが待っています。
彼女とPCは会話をすることも可能で、答えられる質問には答えてくれます。


「あなたたちは・・・リーベルタース様が理想とした『3大ギルド』が生まれていたとしたら、
 ワンダラーに変わって世界を切り開く『エクスプローラー』なんでしょうか?
 ・・・だとすれば、私も命をかけてリーベルタース様を守った甲斐がありました。
 唯一心残りがあるとすれば・・・聖剣匠メントール、彼女は私の親友でした。
 2人でグランシュタット城下町に育ち、私は騎士として、彼女は刀鍛冶として、
 このグランシュタットを支え合おうと誓い合ったのです。
 彼女の気持ちを知らないうちに裏切ってしまったのが、本当に悔やまれます・・・
 ですが、この城で起こった出来事をあなたたちに知ってもらえて、
 私も彼女も、救われたと思います。ありがとう、勇敢な探索者(エクスプローラー)たち」


電子の亡霊となったユースティアとの会話を終えると、
彼女は満足げに消失して足元には1つの美しい鍵と
彼女の身に着けていた武具が残ります。この鍵が王族の私室の鍵です。
ただし「玉座の間」で彼女の幻影を見ていなかった場合、この鍵は手に入りません。

また、宝物庫には様々な強力なアイテムが眠っています。
PC1人につき1つのアイテムを入手可能で、
このリストから選択させると良いでしょう。
いずれもこのシナリオでしか入手できない貴重品ですが、
これらのアイテムが不要な場合は売却しても構いません。


メントールの魔剣(剣)
攻撃:14  体力:12(両手)  属性:斬撃  射程:2(近接)
命中:0  パリイ:1  価格:40000GP
解説:『魔剣匠』メントールの作り出した、黒い刀身を持つ魔剣。
アタッチメント「踊る武器」と同様の効果があり、全力攻撃時にも「パリイ」が可能になる。

白百合のレイピア(剣)
攻撃:10  体力:8  属性:刺突  射程:2(近接)
命中:2  パリイ:2  価格:40000GP
『聖剣匠』メントールが『白百合の騎士』ユースティアに贈った、
白百合の装飾の施された細身剣。優れた命中率と回避率を誇る。

名称:純白の鎧(鎧)
価格:40000G
打撃:15  斬撃:20  刺突:20
火炎:20  冷気:20  電撃:15
体力:11  価格:40000GP
解説:王妃ユースティアが身に着けていた、純白のプレートメイル。
プレートメイルとしては極めて軽く、なおかつ防御力は損なっていない。

名称:軍師の眼鏡(装飾品)
価格:40000GP
解説:軍師メントールが身に着けていた眼鏡。〔先制〕に+3のボーナスを得る。
また、装備中は【賢人の知恵2】を習得しているものとする。
すでに習得しているなら【賢人の知恵】のSLvに+2のボーナスを得る。

名称:純白の小手(装飾品)
価格:40000GP 
解説:王妃ユースティアが身に着けていた、羽のついた純白の小手。
〔命中〕に+4のボーナスを得る。

名称:純白の具足(装飾品)
価格:40000GP
解説:王妃ユースティアが身に着けていた、羽のついた純白の具足。
〔移動〕と〔回避〕に+2のボーナスを得る。

名称:白百合の勲章(装飾品)
価格:40000GP
王妃ユースティアの気高き精神の宿る、白百合をかたどった勲章。
〔抵抗〕に+4のボーナスを得る。

名称:世界樹の冠(装飾品)
価格:40000GP
解説:世界樹の葉で編み上げられた冠。
〔HP〕の最大値に+20のボーナスを得る。


名称:ゲンナイパーツ(装飾品)
価格:40000GP
解説:伝説のカラクリ技師ゲンナイの残したカラクリパーツ。
銃の〔命中〕に+2、致傷力に+5のボーナスを得る。
また、装備中は【魔道工学のススメ】を習得しているものとする。
すでに習得しているなら【魔道工学のススメ】のSLvに+1のボーナスを得る。



・空中庭園/メントールの選択
アニーと落ち合う約束をしていた空中庭園に向かうと、リッターとメントールが待っています。
(もしくはPCがアニーを待っているとリッターとメントールがやってきます)
彼は持ってきた瓦礫を墓石のようにして、剣で「ユースティアここに眠る」と刻みます。
メントールは先ほどとはうってかわってしおらしく、戦意を失っています。

「ありがとう、ようやく妻を弔ってやることができたよ。
 ・・・そう、僕が元グランシュタット国王のリーベルタースさ。
 メントールがまだグランシュタットにいるという噂も聞いていたし、
 もしもそれが本当なら再び人間のために『聖剣匠』として力を貸してほしいと思ってね」


「今さらそんな話をするなんてひどすぎるわ、リーベルタース・・・
 私はもう人間を裏切って魔族になった・・・もう戻れないわ。
 それに・・・ユースティアは私が殺したのよ!今さらあなたと一緒にいられないわ!」


PCとリーベルタース達が会話をしていると、
空中庭園を光が包み込み、無残な状態だった空中庭園は修復され、花が咲いていきます。
そして、空からはふわりと「儀式の間」で見たフラウが降り立ちます。


「やはり後悔していたか。本当に愚かなものだね、人間という種族もそれを作った僕も。
 ・・・メントール、君はもはや魔族失格だ。特例として人間に戻す、あとは好きにするといい」


メントールは柔らかな光に包まれ人間に戻り、フラウは去っていきます。
彼の正体について質問をしても答えてはくれず、
真実を知る者であってもデータを判明させることはできません。

メントールがこの後リーベルタースと行動を共にするか、
一人で去っていくかはPCが背中を押してやると良いでしょう。
特に何も言わなければ彼女は一人で去っていこうとします。
リーベルタースは彼女のいかなる決断をも受け入れるでしょう。

メントールの処遇が決まった後は「Fエピローグ」に進んでください。




Eエネミーデータ



名称:魔将樹の蔦

CL:15  分類:魔物
体力:15  敏捷:14  感覚:10  知力:5  意志:5
HP:120  FP:38  命中:20
ドッジ:不可  パリイ:不可  シールド:不可
移動:7  先制:9  抵抗:11
防護:打撃20/斬撃15/刺突25/火炎5/冷気5/電撃15
攻撃:拒みの蔓(鞭)・・・3D+35(打) 射程10(近接)

・特技
常時【精神防御】:幻覚を見せたり精神に異常を与える【特技】の効果を受けない
常時【リジェネレーション3】:ターン開始時にHPを30点回復
被ダメ【癒しの花粉2】:FP3 3D+20の〔HP〕回復 射程10 CT:次ターン
行動【スネークバインド3】:FP4 命中20 3D+35(打) 射程10(近接)
   次の使用者のターンまで移動を封じ〔回避〕−6
行動【フォールダウン3】:FP4 命中26 ダメージを与えずバッドステータス「☆転倒」
   射程10(近接) 隣接ヘクスまで引き寄せ可能
行動【ヘルラリアット】:FP10 命中26 バッドステータス「☆転倒」を与え3D+35(打)で2回ダメージ
   射程10(近接) 隣接ヘクスまで引き寄せ可能 CT:戦闘終了

解説:グランシュタット城への侵入者を拒む呪いがかけられた、魔将樹の蔦。
グランシュタットの至る所に存在しており探索を困難にしている。
障害物だがエネミーと扱いデータを掲載する。
2回目以降の戦闘はPC全員の〔HP〕を3D減らして省略する。

レア:7500GP

 

名称:魔将樹の騎士

CL:40  分類:魔族
体力:16  敏捷:13  感覚:13  知力:13  意志:16
HP:236  FP:82  命中:23
ドッジ:13  パリイ:16  シールド:19
移動:8  先制:13  抵抗:18
防護:打撃20/斬撃20/刺突25/火炎10/冷気20/電撃20
攻撃:薔薇のサーベル(剣)・・・3D+45(斬刺) 射程1(近接)

・特技 
常時【咲き乱れる薔薇】:【花の嵐】を射程内の対象全員に有効にする
与ダ【傷口を抉る毒4】:FP3 3D+40の防護点無視ダメージ 射程10 CT:次ターン
被ダ【茨の呪い】:自分に攻撃した対象に15点の防護点無視ダメージ 射程100
行動【リープアタック5】:FP4 命中38 3D+70(斬) 射程1(近接)
   攻撃と同時に〔移動〕ヘクス移動可能 移動妨害も受けない
行動【ラピッドスラッシュ3】:FP5 命中23 3D+45(斬) 3回攻撃 射程1(l近接)
行動【花の嵐】:FP6 命中21 3D+50(斬) 回避不可 射程10(魔法)
   射程内の対象全員攻撃 CT:戦闘終了

解説:『魔将樹の剣姫』ロジエモールの親衛隊として名高い、選りすぐりのブラックナイト達。
親衛隊の証として茨の絡みついた美しい剣、盾、鎧を身に着けている。
彼らを攻撃すると【茨の呪い】により切り刻まれてしまうため、攻め手を見つけにくい難敵。
特に、迂闊に連続攻撃を仕掛けてしまうと手ひどいダメージを受けてしまう。
もちろん、その卓越した剣技も大きな脅威となるだろう。

レア:茨の大盾(盾)



名称:『魔剣匠』メントール(BOSS)

解説:『聖剣匠』の異名を持つ高名な鍛冶屋でもあり軍師でもあった魔族。
周囲には小さな魔剣がくるくる飛び回っており、
実戦ではこれらの魔剣を実体化させ、攻防一体の戦闘を行う。
グランシュタット王リーベルタースに袖にされたことから復讐に走り、
魔族側の第3師団に「裏切り」グランシュタットに魔族が侵入する手引きを行った。
現在では『魔将樹の剣姫』ロジエモールの配下としてグランシュタット城に滞在している。

普段は比較的温厚かつ知的な女性のように見えるが、
グランシュタット王妃ユースティアの話題に触れると激昂する。
見た目は人間に似ているが、背中のあたりに浮かぶ小さな悪魔じみた羽により判別可能。

CL:40  分類:ネームド/魔族
体力:12  敏捷:13  感覚:16  知力:18  意志:13
HP:680  FP:240  命中:23
ドッジ:16  パリイ:18  シールド:不可
移動:8  先制:16(26)  抵抗:15
防護:打撃10/斬撃10/刺突10/火炎10/冷気10/電撃10
攻撃:メントールの魔剣(剣)・・・3D+45(斬) 射程2(近接)

・特技
常時【ネームドエネミー】:HP0以外で気絶せずBSをターン開始時に打ち消す 打ち消し時CL分HP消費
常時【魔剣匠の知略】:【鬼神策謀】が「CT:次ターン」になる
常時【ファーストムーブ5】:戦闘開始直後のターンのみ自分と仲間の〔先制〕+10
判後【鬼神策謀】:FP10 判定の成功度に−10のペナルティ 射程10 CT:次ターン 〔HP〕300以下で使用
支援【魔剣実体化】:FP10 任意の「メントールの魔剣」1体を隣接ヘクスに召喚 次ターンから行動
行動【リープアタック3】:FP4 命中32 3D+60(斬) 射程1(近接)
   攻撃と同時に〔移動〕ヘクス移動可能 移動妨害も受けない
行動【クロスブレイク3】:FP5 命中19 3D+57(斬) 2回攻撃 射程1(近接)
行動【ソードプリズン】:FP20 無数の魔剣が戦場を駆け巡るメントールの必殺技
   命中23 3D+45+「魔剣の数」×5(斬) 射程内の対象全員攻撃 射程10(近接) CT:1ターン 〔HP〕300以下で使用

☆行動パターン
1:支援ターンでは【魔剣実体化】を必ず使用する。
2:行動ターンでは【リープアタック】【クロスブレイク】のうち有効だと判断した方を使用する。
3:〔HP〕が300以下でPCが成功度9以下の判定を行った場合、
  可能であれば必ず【鬼神策謀】を使用する。
4:〔HP〕が300以下になると可能な限り【ソードプリズン】を使用する。

通常:8000GP
レア1:ういっしゅすたー(大事なもの)
レア2:ういっしゅすたー×2(大事なもの)



名称:メントールの魔剣

CL:15  分類:魔族
体力:15  敏捷:15  感覚:12  知力:10  意志:10
HP:96  FP:30  命中:21
ドッジ:12  パリイ:14  シールド:不可
移動:10  先制:12  抵抗:10
防護:打撃10/斬撃15/刺突15/火炎15/冷気15/電撃5
攻撃:魔剣の一撃(剣)・・・3D+30(斬) 射程1

解説:メントールによって創り出された、知性を持つ魔剣。
火炎・氷結・電撃・大地・神聖・暗黒の6本の魔剣が存在する。
魔剣同士は全て自分が一番強いと思っているため仲が悪いという噂も。
メントールへのダメージは可能な限り【セイクリッドペイン】で遮断する。

被ダ【セイクリッドペイン】:FP5 対象の受けたダメージを肩代わり 射程10 CT:次ターン
行動【レッドロータス】:FP5 赤き花を咲かせるがごとき炎の斬撃
   命中21 3D+50(斬火) 射程1(近接) 「火炎」の魔剣のみ使用
行動【ブルースパイラル】:FP5 高速回転しながら敵を貫く冷気の剣
   命中21 3D+50(刺冷) 射程1(近接) 「冷気」の魔剣のみ使用
行動【サンダービート】:FP5 雷の刃が遠距離の敵をも打ち据える
   命中21 3D+40(斬雷) 「パリイ」不可 射程10(近接) 「電撃」の魔剣のみ使用
行動【ストーンブレイク】:FP5 強固な鎧をも打ち砕く強烈な一撃
   命中21 3D+40(斬/防護無視) 射程1(近接) 「大地」の魔剣のみ使用
行動【クリアランス】:FP5 魔剣を修復する聖なる光
   「メントールの魔剣」1体の〔HP〕とBSを全回復 射程10 「神聖」の魔剣のみ使用
行動【ブラックミスト】:FP5 黒い霧で包み込み対象を疲労させる
   対象の〔FP〕に3Dの防護点無視ダメージ 射程10 「暗黒」の魔剣のみ使用

所有レア:7500GP

 

Fエピローグ

「ああーもう、最悪っ!!こんな時に限って留守だなんて!!
 いっつも忙しい忙しいって言って全然外に出てこないくせに!!」

何があったのかは語らないが、飛行船で迎えにきたアニーはひどく不機嫌だった。
その様子から察するに、彼女がグランシュタットに向かった目的は達成できなかったらしい。

「おやおや、何か行き違いでもあったのかい?
 でも人生というのはすれ違いの繰り返しさ、あまり気に病まないことだよ」

色々なものに当たり散らすアニーもどこ吹く風、
リッター、いやリーベルタースはアニーを諭すように呟いた。

「お気楽に生きてるアンタに言われるとムカつくわリーベルタース!!
 大体、アンタがハッキリしないから女が2人も不幸になってるのよ?
 アンタが自由なのは構わないけど振り回された側の身にもなってあげなさいよね!!」

周囲を振り回しまくっているアニーが言うのもどうかとは思うが。
そもそも、留守番をしていたはずのアニーがなぜ、
リーベルタースの周囲で起こったことを知っているのだろうか?


なんにせよ、グランシュタットの宝物庫にあった武具は確かに優秀なものばかりで、
かなりパーティーの強化もできた。次はどこへと向かうべきか・・・


「そうだね、まずフィルトウィズに何が起こっているか知ること・・・
 それには魔将を知ることが一番だろうね。次は第四魔将のところにでも・・・」


「ちょっと!なんでアンタがそんなことに口を出してるのよ!!
 こいつらの行先は私が決めるわ、アンタはまた放浪の旅にでも出てなさい!!」

「だ、そうだよ。大変だね、電子の妖精に気に入られた勇者殿も」

リーベルタースは少し微笑み、あなたの方を向いて肩をすくめた。
その間も後ろからアニーはリーベルタースに蹴りを入れていたが、
相変わらずリーベルタースはどこ吹く風だった。

*

ほどなくして飛行船はグランシュタットを飛び立ち、シュセンへと舵をとった。
いつの間にか夜は開けて、朝日がグランシュタット屋上の空中庭園を照らしていた。
・・・その美しさに、あなたは息を飲んだ。恐らくは、隣で眺めていたアニーとリーベルタースも。

誰もがしばし言葉を失ったあと、リーベルタースは低く、だがハッキリと通る声でつぶやいた。

「さらばだ。我が愛しきグランシュタット」


メインシナリオ3章「我が愛しきグランシュタット」 -完-



G清算

お疲れ様でした。
シナリオを無事クリアした場合、PC全員のCLが1上昇します。

ギルドから報酬が出るクエストではないため、
「宝箱やドロップで入手したGP/人数」のみが入手可能なものです。
とはいえ宝物庫で入手できるアイテムは非常に強力で、
売却した場合もかなりの価格になるため、報酬が不足することはないでしょう。


 

H裏話とおまけ

シナリオ中では解決しない裏設定などについてです。

Q:ユースティアの死因は?
A:空中庭園でロジエモールとの戦いが終わって力を使い果たしたところを、
  リーベルタースによる国家解体を快く思わない貴族によって暗殺されました。
  実際に手を下した兵士も、口封じのためにその場で殺されました。
  『魔将樹の剣姫』ロジエモールとの対決は引き分けになったと言われています。

Q:メントールが対決時に言う「あの方」とは?
A:第七魔将ザバーニーヤです。

Q:アニーは元々何の用事でグランシュタットに来ていた?
A:ご想像にお任せします(笑)わかる人にはわかると思います。

Q:ゲンナイの正体は?
A:これもご想像にお任せします(笑)シナリオが進めばわかると思います。


・付録(ボス戦マップ文字なし)


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