裏設定資料


※caution


あなたのフィルトウィズの世界観を壊す可能性があります。閲覧時はご注意ください。
公式ストーリーはこの設定に沿って進みますが、
それを全てのGMが採用することを、強制するものではありません。
(特に「ノア」の目的などについて)









































「地球の滅亡」

地球滅亡の原因は世界大戦の最中に使用された、
BHB(Black Hole Blast)と呼ばれる実験段階で投入された
恐るべき最新兵器によるものとされていた。
この兵器は周囲の物質全てを飲み込んで消し去りながら拡大していき、
攻撃に晒された地域からが全てが消滅してしまうというものである。
一部地域のみを狙ったはずのBHBはその地域を破壊した後も拡大を続け、
地球外への避難でしか逃れることはできないと報道された。

・・・少なくとも一般市民にはそのように伝えられ、
宇宙船に乗り込める資金やコネを持つ者は宇宙船で地球を逃亡。
それができなかった人間は悉く死んでしまい、地球上の人類は滅亡した。


当時の地球に大規模な戦争が起こっていたのは紛れもない事実ではある。
しかしながら、地球滅亡の本当の原因は最新兵器ではなく、
そのさなかに突如として出現した、人類の天敵となる生命体によるものである。
この生命体の存在を知る者は彼らを「浸食者」と呼んだが、
彼らがどこから来て何を目的としている生命体であるのか、
浸食者の存在を知る国家であっても突き止めることはできなかった。

かくして、地球上に残された人類は全て貪りつくされた。
それは、人類が地球上の生物を絶滅させてきたより遥かにあっけなかった。
浸食者の食欲と繁殖力はそれほどまでに凄まじかったのだ。
まるで人類だけを地球上からきれいに消し去ることを目的としていたかのように。

浸食者の存在は宇宙に逃げ延びた人類の間でも噂になっていたが、
ほとんどは確証の無い都市伝説(宇宙伝説?)のようなものだった。
もちろん地球がいまだ存在することを知る者もいたのだが、
だからといって浸食者に対する有効な手立てを持つ者はいなかった。


こうして人類は宇宙の漂流者として過ごすことになった。
地球への帰還を試みた者もいるが、いずれも成果をあげられていない。
そればかりか地球への帰還を唱えたものは、悉く音信不通となっていった。
このことは「神からの粛清」と言われ、いつしか地球への帰還はタブーとされるようになり、
今となっては地球が現存していることを知る人間もほとんどいなくなってしまった。



「ノア(Noah)とアーク(Ark)」

地球最大規模の多国籍企業、それがアークコンツェルン(以後アーク)である。
アークは各国首脳への強いパイプと、質・量ともに圧倒的な技術力と資金力を誇っていた。
地球滅亡以前は兵器や宇宙船開発なども独占しており、
実質的に世界の覇権を握る企業であった。
その会長はノア(Noah)という名で、西欧出身の若き女性だった。

元々アークコンツェルンの令嬢として何不自由なく育ったノアは、
その有り余る時間と金をオンラインゲームにつぎ込んだ。
特にMMORPGに傾倒しており、かなり熱心にプレイしていたようだ。
既存のゲームに満足できなくなった彼女は、傘下の系列企業にゲームを作らせるようになり、
それにすら飽き足らず自らプログラマーとなりゲームを創作するようになる。
元々頭がよく研究熱心だった彼女はプログラマーとしても天賦の才を発揮して、
「対話成長型AI」と呼ばれる高度な人工知能を創り出すことに成功する。

「対話成長型AI」は軍事用に転用する目的などをもって超高額で取引され、
彼女の地位とアークの力はますます強くなっていった。
彼女が20歳になるころには、すでにアークの実権を握っていたとも言われている。
ノアは地球上の経済を自由に動かすことのできるほどの立場を得たが、
彼女はそれで満足はしなかった。
彼女が次に望んだことは自らを神とする新世界の創造だった。
かくして彼女が作り上げた世界が2つ、それが「セフィロト」「フィルトウィズ」である。

また、ノアについてはいくつか奇妙な噂がある。
「セフィロト完成以降、ほとんど姿を見た者がいない」
「外見が15歳前後のころから全く変化していない」といったものだ。



「浸食者」

突如地球に出現し、悪夢のような能力を持った、人間の天敵。
その存在は一般には秘匿されているが、その存在に関する噂は後を絶たない。
彼らの恐ろしい点は、大きく分けて以下の3つとなる。

@人間を殺し捕食、増殖する
人間を殺したあと、浸食者に変えて吐き出すとされる。
実際には人間を捕食して栄養を得て、高速で繁殖しているようだ。
特に、人間の脳を好んで食べるとされている。

A正体の不明瞭さ
浸食者がそもそも生まれた原因などがハッキリとしておらず、
それを根絶することが不可能に近い。
その姿も様々で、人間と見分けがつかないようなものも存在する。

B人間を五感以外でサーチ可能
後期の浸食者にのみ見られる特徴。
例え屋内や地下に隠れても、浸食者はそれを逃さない。
一説には体温を感知しているとも言われるが正確なところは不明。


ただし、浸食者にも弱点がないわけではない。それは、

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「セフィロト」

ノアの創り出した第1の仮想世界。表向きには対話成長型AIを利用した
仮想現実世界の実験のために創られたということになっている。
実際には生体兵器「浸食者」の実験培養施設であり、
ノアが様々な作業や思考を行うための研究所でもある。
セフィロトでは現実世界の256倍の速度で時間が進行するため、
内部で1日を過ごしても現実世界ではおよそ3分しか経過しない。
そのためノアは自らが顔を見せる必要のある仕事以外は、セフィロト内部で行っている。
それによってプログラミングのみならず遺伝子工学をも、
常人を遥かに超えるレベルで身に着けたようだ。
彼女の奇跡的な手腕は256倍の時を生きることによって発揮されたと言える。

セフィロト内で培養された「浸食者」が現実世界に出現するためには、

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「フィルトウィズ」

ノアの創り出した第2の仮想世界。セフィロトより多くのNPC人口とサーバーを保有し、
本格的な理想の世界を創り出す目的をもって誕生した。
また、セフィロトのプログラムはノア以外には操作不可能になっているのに対し、
フィルトウィズにおいてはアークの出資により優秀な人材を集めたチーム
「プロジェクトFW」を発足させ、彼女以外の人間にも大きな権限を委託している。
ただし、プロジェクトFWがアーク傘下で集められたことは
対外的にはもちろんのこと、プロジェクト内部の人間にも秘匿されていた。
彼女自身もプロジェクトFWのメンバーとして活動していたが、
当然そのことも秘匿されており、単なるプロジェクトの一員として振舞っていた。

ノアはプロジェクトFWのメンバーにもフィルトウィズ内部での作業を推奨することで、
通常ではありえないほどの対応速度とアップデート頻度を誇る運営を実現した。
セフィロトほどではないが、フィルトウィズにも時間を加速させる機能を追加したためだ。
フィルトウィズでの加速度がやや低いことには大きく分けて2つの理由があり、
1つはノアが自らの神聖性を保つためにセフィロトでの時間が必要だと考えたこと、
もう1つはセフィロトより規模の大きい仮想世界を高速で多数動かすことによる、
サーバーへの負荷を考慮した結果である。
(フィルトウィズの時間進行速度は現実世界の12倍)

世界の運営が軌道に乗ると、多数のサーバーの動きを
人間が管理することの煩雑性が問題視されるようになった。
そのため、プロジェクトFWの代行権限をもった対話成長型NPCがゲーム内部に必要となる。
(これには、神にはその使徒が必要というノアの考えもあったようだ)
こうしてフィルトウィズ内部のNPC「魔将」に運営の権限の一部が委託され、
彼らによってゲーム世界の維持がある程度行われるようになった。
魔将はサーバー1つにつき6体配置され、それぞれに役割が与えられた。

多数のサーバーを持つフィルトウィズは、
微妙な設定の違いにより世界ごとに多種多様な姿を見せた。
敵役として設定した魔族が人間を完全に滅ぼしてしまう世界、
人間と魔族がお互い不干渉のままそれぞれの生活圏を分けている世界、
ごく少ないが人間と魔族が友好的な関係になる世界、などである。
もっとも、公開されているサーバーにおいてはほとんどが、
人間と魔族が争いその戦力が拮抗している世界になっていたようだ。



「神将と魔将」

ノアは自らの手足とするべく7体の「神将」と呼ばれる対話成長型をNPCを
セフィロト内部に創り出した。彼らに与えられた役目は以下の通り。

第一神将ジブリール
世界の総合的な管理統括 ノア不在時の代理者 王冠を司る

第二神将アズライール
反逆者に対する死刑執行官 峻厳を司る

第三神将ミカール
浸食者の統率と調教 勝利を司る

第四神将ハールートとマールート
マップの創造と拡張 浸食者の食料管理 慈悲を司る

第六神将メタトロン
データとログの管理 必要があればその改ざん 知恵を司る

第七神将イスラフェル
秘書として気まぐれで作ったマスコット 栄光を司る


また、フィルトウィズの管理に伴う仕事量が増大したころ、同様に6体の「魔将」を創り出した。
彼らは世界コンセプトの変更に伴い、神将とはやや異なる役割を与えられている。
フィルトウィズの世界1つ1つはノアにとっては軽いものであったため、
彼らに与えられた権限は概ね、神将より大きくなっている。
セフィロトの第七神将はあまり役には立たなかったため、第七魔将の作成は保留した。
(そもそもマスコットとして作ったので、役に立たせようとは思っていなかったのだが)

第一魔将ラダマンティス
世界の総合的な管理統括

第二魔将グレイヴディガー
世界と他の魔将の監視 深刻なエラー発生時の強制シャットダウン

第三魔将ユグドラシル
対話成長型NPC(人間・魔族)の作成

第四魔将ムスペルニヴル
時の管理と世界の変化(保存・破壊) 強制ロールバック権限


第五魔将ウェルス
金銭と運勢の管理 経済活動の調整

第六魔将バロール
データとログの管理 必要があればその改ざん




「第一魔将ラダマンティス」

フィルトウィズの法の象徴として作られた存在。
内部は巨大なメガコンピュータとなっており、
超高速での演算によってフィルトウィズの調整を可能にしている。
負荷がやや大きいものの、他の魔将と同様の役目を担う「ゴースト」を作成可能で、
実質的にはラダマンティスのみでもフィルトウィズの運営が可能。
ノアに非常に近い思考パターンを持つAIが設定されているが、
他の魔将と異なり対話成長型AIは搭載されていない。
これは、大きな権限を持つラダマンティスの成長をノアが恐れたためだと推測できる。
また、ノアはこのラダマンティスをアバターとしてログインすることも可能。

外部骨格は巨大な岩と無数のドラゴン「ラダマンティスの蛇」によって覆われ、
フィルトウィズ内部の存在による突破は一部の例外を除き不可能。

・・・用心深く様々な事態を想定していたノアにも、誤算はあった。それは、
「ラダマンティス自身も、新たに対話成長型AIを作り出そうとした」ことと、
「数十、数百とも言われるフィルトウィズのサーバーに存在する、
 数十、数百ものラダマンティス同士がリンクして、巨大な1つの頭脳になろうとしている」
ことだ。



「第二魔将グレイヴディガー」

フィルトウィズが正常に運営され、魔将が適切に行動しているかを
監視するために創られた存在。嗜虐的な性格ではあるが、
表面上はそれを取り繕うことも可能であり、バランスのとれた思考が可能。

最先端の技術で作成されたフィルトウィズといえど、
プログラムで動くゆえの宿命であるバグの発生は避けては通れない問題であり、
時にそれは世界の存続すら危うくすることもあった。
特に、ラダマンティスを始めとした魔将の暴走は事態が重篤化しやすく、
そういった状況の発生時にはグレイヴディガーが素早くシャットダウンを行い、
その後プロジェクトFWによってその原因を究明させる手筈となっている。
もっとも、そのような状況になる前に大抵は第四魔将によるロールバックが行われ、
適切な処置が施されることがほとんどではあるが。

ラダマンティスが実際に他の魔将と会話をする機会がないことから、
緊急時には彼が魔将のリーダーとして指揮を執ることになる。



「第三魔将ユグドラシル」

フィルトウィズに存在する全てのNPCの父であり母である存在。
本来性別はなく、外見的には中性的な少女といって差し支えないのだが、
男性的な思考をすることが多いため、ここでは「彼」と呼ぶ。
自らの子を愛しく思う慈悲深い性格と、嫉妬深く卑屈な性格を併せ持つ。
特に、彼は魔将としては戦う能力を低く作られ、
生み出すNPCに比べて非力であることを嘆いていた。
あらゆるNPCを創り出すことができるユグドラシルも、
自らの存在を書き換えることだけはできなかったのだ。

彼はまず自らの化身として動く装甲を創り出しハイペリオンと名付けた。
次に、伴侶として魔族の作成を担当する者を創り出しロジエモールと名付けた。
そして、彼はノアに自らの娘としてザバーニーヤを創り出し、彼女を魔将とすることを求めた。
ノアは感心と滑稽さを抱きつつも、これを了承した。



「第四魔将ムスペルニヴル」

人間に大いなる脅威と裁きを与え、時を管理するために創られた存在。
特に純粋な戦闘能力は魔将でも最強を誇った。
(さすがにラダマンティスは除いたうえで、の話だが)
彼女が巨大な槍とも斧ともつかぬ武器を振るうと、その周囲は何もかもが消し飛んだという。
一説には、それは時間と空間を切り裂く武器であり、
4次元からの攻撃を行うため、攻撃されたと認識すらできなかったようだ。

その戦闘力と時を操る能力が規格外すぎると
テストサーバー中期に指摘があったため、プロジェクトFW内部でも調整案が浮上した。
ノアはこれを了承し、「イグニス」「デス」の2体にその能力を分割して、
必要な場合のみ真の第四魔将ムスペルニヴルとして力を振るうよう指示した。
ただし2体に分割されてもなお、他の魔将に引けを取らないほどの戦闘力を持つ。
反面、どちらも頭脳労働はあまり得意ではないようだ。



「第五魔将ウェルス」

セフィロトには存在しなかった経済活動を担当させるため、
新たな役割をもってフィルトウィズに創られた存在。
かなり軽い性格ではあるが、その発想は非常に明晰かつ大胆。
純粋な知識の量では第六魔将バロールに及ばないが、発想力は上を行く。
GPの供給と消失を調整して、フィルトウィズ内部の経済活動を
一手に担うという重要な役割を与えられていた。
のみならず、ゲーム内の乱数をプレイヤーに気づかれない程度に操り、
ギリギリのところで勝ったよう演出できる仕組みも密かに築いていた。
(本人はこれを「満たされし幸運の力=フィルトウィズフォーチュン」と呼んでいた。
 ・・・もっとも、「消失の日」以前は本当にこっそりとしか使っていなかったようだ)

ある程度経済が成熟してNPCの商人たちによって経済が動かされるようになると、
経済活動は「見えざる神の手」によって行われるべきであり、
自らの役目はいったん終わったものとしたい、とテストサーバー終了時に進言した。
ノアはこれを受け入れ、必要な時が来るまでウェルスの魔将としての力を封印するよう伝えた。
かくしてウェルスは自らの素性を隠しつつ、フィルトウィズと愛する人を見守ることとなった。

魔将の中では珍しく人間に友好的で、よく身分を偽って人間社会に関わっていた。
『自由王』リーベルタースに3大ギルド設立を影から促したという逸話も存在する。



「第六魔将バロール」

フィルトウィズ内部のデータとログの管理を行うために創られた存在。
演算処理能力と記憶力に長け、好奇心旺盛な性格。
ゲーム内の戦闘や会話のログを逐一チェックしており、
使用頻度が高すぎる、もしくは低すぎる職業、および特技の修正案を提出していた。
また、会話を始めとする各種ログのチェックからフィルトウィズの問題点などを報告し、
問題行為を懲罰対象とするか否かの判断を第四魔将に仰ぐ役割などもあった。

その強すぎる好奇心はゲームバランス調整のみでは満足させられず、
フィルトウィズのブラックボックスであるラダマンティスやセフィロト、
そしてノアに関することにも及び始めたため、ノアからは最も警戒されている魔将。
しかしながら同時に、彼女はバロールがどこまで真実に辿り着くかを楽しんでいる節もある。



「第七魔将ザバーニーヤ」


テストサーバー初期には存在しなかった魔将であり、
第三魔将ユグドラシルが自らの空虚を埋めるために創りだした存在。
奇しくもノアが考案したマスコットの「第七神将イスラフェル」と酷似しており、
ノアは、自らの子とも言えるユグドラシルの考案したキャラクターが
そのような姿であったことに「血は争えないものだ」と、ひとしきり感心したようだ。

彼女は明確な役割をもって創られた魔将ではないため、大した仕事を与えられなかった。
ノアは彼女の扱いについて悩んだ末、わざと退屈な仕事を与え、
彼女がトリックスターとしてフィルトウィズにどう変化を与えるか観察することにした。
これはノアの本来の目的から逸脱したことではあるが、
彼女の本質には「気まぐれ」かつ「退屈を嫌う」ところがあり、
その特徴を最も色濃く受け継いだのがこのザバーニーヤであると言えよう。



「BHB」

地球を破壊した原因とまことしやかに囁かれた架空の兵器。
もっとも、フィルトウィズにおいては架空ではなく
実際にそれが可能なほどの破壊力を持つ兵器となっている。
「周囲の質量を飲み込む漆黒のレーザー砲」という触れ込みではあるが、
ゲーム的には単純に、戦場全域に桁違いのダメージを与える武器となっている。

第七魔将ザバーニーヤは魔将としての本人の能力は弱く、大きな権限も持っていなかった。
そのため、彼女のオモチャとしてノアから与えられたのがこの兵器だった。
遊び要素としてラダマンティスの装甲を傷つけるようになっているのは、
いかな強力なモンスターも理論上では撃破可能であるべきという、ノアの美学によるものか。



「アカシックレコード」

フィルトウィズで起こった出来事全てを記した、膨大な容量を持つデータ保管庫。
地下世界アカシャのどこかに存在すると言われるが、発見者はいない。
それもそのはずで、ラダマンティスの内部コンピュータこそが
アカシックレコードであり、「満たされた地」に存在する
ラダマンティスが発見されない以上当然と言える。

いかに膨大な容量を誇るとはいえデータを無限に蓄積できるわけではないため、
不要と判断されたデータは逐次削除されるようになっている。
削除される基準は「その事象を記憶するNPCが1人でも存在するか」であり、
例えば誰の記憶からもなくなったNPCのデータは完全に消去されてしまう。



「満たされた地」

フィルトウィズ内部に存在すると言われる開発室でありデバッグルーム。
プロジェクトFWのメンバーは、基本的にこの内部で作業を行っていた。
これにより、通常の人間の12倍の労働が可能となった。
(過酷な環境ではあったが、給料もきちんと12倍支払われたようだ)

ゲーム内での明確な位置は決定されておらず、
管理者アカウントでなければ、通常はいかなる手段を用いても侵入することはできない。
管理者アカウントではないキャラクターが満たされた地の扉である
「審判の門」を開けるためには、第一魔将ラダマンティスを倒す必要があるのだが、
そもそもゲーム内で座標が決まっていない「審判の門」がある空間に
一般のキャラクターが向かうこと自体がそもそも不可能なのだ。

・・・しかしながら、この「審判の門」を目撃したという話も存在する。
それがありがちな創作なのか、何らかの意志が働いた結果なのかは定かではないが。



「消失の日」

ノアによる「箱舟計画」実行の準備が全て整ったため、
地球でフィルトウィズのテストを継続する理由は皆無となった。
そのため、彼女は適当な理由をつけてフィルトウィズをいったん終了させた。
「フィルトウィズに熱中するあまりに生じた様々な問題」を原因とすれば
世間からの理解を得るには十分であったし、
「アークから圧力がかかった」ということにすればプロジェクト内部でも
仮想敵を作ることである程度の賛同を得ることもできた。
彼女にとっては、地球が滅亡してからが本当のプロジェクトFWの始まりだった。

「消失の日」を迎えてすぐに、彼女はフィルトウィズに管理者権限をもってログインして、
自らのアバターとして「ハカン」という名のキャラクターを作成した。
(実在の彼女に酷似した容姿のキャラクター。いくらでも強いデータにできたが、
 フィルトウィズ最強の存在である魔将の面子を考え、それよりほんの少し弱くしておいた)
そして自らがノアである旨を魔将たちに告げ、今まで通りに世界を運営しつつ、
人間の領土への侵略「大侵攻」も継続して行うよう指示した。

また、その中でノアは魔将に対していくつかの約束事をした。
これは「盟約」と呼ばれ、以後魔将はこれに縛られることになる。

それから約3年の間、現実世界とフィルトウィズの世界は等速で進行するように設定される。
フィルトウィズの世界がふたたび12倍速になるのは、
ワンダラー消失後の混乱が『自由王』リーベルタースの3大ギルド設立により終息して、
「壁の町シュセン」が防衛線として機能し始めた時期からである。
それとほぼ同時にフィルトウィズは再びプレイヤーに解放されることになった。

これが「フィルトウィズオンライン」の物語の始まりである。



「箱舟計画」


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「新しき星」

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