「世界の武器事典」より
(レイゲンブレードの生態に関する考察)

『レイゲンブレード』

非常に珍しいアヤカシの一種で『生きている武器』。
特別アタッチメントで「生きている武器」を作る技術と、
ホムンクルス作成技術の融合によって生まれた種族らしい。

・・・が、それ以前にも目撃情報があるので、
『ツクモガミ』と呼ばれる器物のアヤカシの二種類が存在する物と思われる。
特に後者は前者に比べると強い力を持ち、伝説の武器の正体がレイゲンブレードだったという事もある。
彼等が自分で行動する場合アバター(仮の肉体)を使うが男性と女性の割合では女性の方が多いらしい。
(よって今後レイゲンブレード達を『彼女』と呼称することにする。
 武器を求める戦士は男性が多いので、それを惹きつける方法を本能的に知っているのではないか?)

『考え方』
彼女達は自分を振るう人物を『主』『主人』等と呼ぶ事が多いが
その多くは本当の主人だと欠片も思っていない。
何故なら彼女等の立場は『使われる』のではなく『使わせる』であり、
並の使い手であれば適当に戦場へと煽り立てて次の主人を待つ事を選ぶだろう。
それに対して我々が怒る権利は無いと彼女等は言う。
より強い武器が現れたらそちらに軽々と乗り換え、
壊れたのなら次の武器を選べば良いという扱いをしているのは我々も同じだからだ。

『嫉妬心』
レイゲンブレードは嫉妬心が強く、主が自分以外の武器を持っていると目に見えて不機嫌になる。
その武器が意志無き普通の武器であるならば
『浮気者』だとか『節操無し』だのと言われ続けるだけで済むが、
もしも主人でありながらそれ以外のレイゲンブレードを握ろうものなら、
命の保障すら無いかもしれない。それも両方から怒りを買い三枚卸になるだろう。
彼等が自分以外で振るう事を許すのは己自身の姉妹剣くらいのもので、
それですら利き腕の取り合いが起きる事も多い。

『対抗心』
彼女達は自分こそが最高の一振りだと思っている。(故に嫉妬心で恐ろしい事になるのだが)
レイゲンブレード同士を鉢合わせると武器の種類が近ければ近いほど仲が悪くなる。
何故ならば同種と言う事は好みの使い手も似るという事で、
お互いが死なない存在であるが故に主人争いは過激さを増していく。
別種の武器のレイゲンブレードに対しては比較的寛容で、
『仮に同じ種類の武器なら自分の方が上』という自論を持っているからだとか。



『タイプ別レイゲンブレードとの付き合い方』


―余を使う権利をやろう!―
魔剣に多いタイプで主従の関係で言えば自分が主側だと思っているタイプ。
ダンジョンの奥であったり、山奥であったり、封印されていたりと様々だが
自分の使い手に相応しい人物が自分の元を訪れるのを待っている。
比較的扱いやすく、蔑ろにしなければなんだかんだでついてきてくれる。

―共に行きましょう主様―
聖剣に多いタイプで主従の関係でこちらの事を主として扱ってくれる。
非常に協力的かつ献身的で使い勝手も良く、理想の為にはずっとついてきてくれる。
だが主が理想を外れればあっさりと見捨てていく危険なタイプでもある。

―まあ貴方に使わせてあげなくもないかしらね!―
聖剣タイプで稀に見かけるタイプで、主人を主張しているように見えて根っこは従者タイプ。
素直に意見を述べられないので当たりが強いように見えるが、
根っこは持ち主の心配をしており、上手く防御や回復を行ってくれる。
割と豆腐メンタルなので虐めずに可愛がってあげると良いだろう。

―さあ往くぞ主殿!手柄首を取りに!―
魔剣タイプに多い特徴だが本人は欠片も魔剣だなどと思っていないタイプで、
主を立ててるつもりで完全に自分が主人側。
装備した段階でレイゲンブレード自身の思想に影響されて、
近視眼的になったり脳みそ筋肉になったりするのが問題点だが、破壊力は保障されている。

―完全な例外―
持ち主に取り付いて自分の願いを叶える為だけに動くタイプ。
一般に『呪いの魔剣』と呼ばれるが魔剣タイプ、聖剣タイプのどちらにも存在する。


彼女等が随分と危険な存在のように書いたが、
貴方が誠実に答えれば最高のパートナーになってくれるだろう。
言っている事はとても簡単で、『己を磨いて浮気せずに自分だけを使え』としか要求してないのだから。

written by hagane & marsh

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